6才のボクが、大人になるまで。のレビュー・感想・評価
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大人になった日を憶えていますか?
大人になった日をおぼえていますか?
私は8歳の時です。
母が近所の保育園を辞めて、父の病院に勤務することが決まった日。母が朝早く家を出て行くので、私が父を起こし、弟を起こして食事をさせて着替えさせて保育園に送り出す役目を仰せつかった日です。
本作は「6才のボク」が18才で親元を巣立って行くまでの12年間を、同じキャストで12年間撮り続けた作品です。
6才のボクが大人になるまで。というタイトルですが、主人公メイソン(エラー・コルトレーン)は、両親(母:パトリシア・アークエット/父:イーサン・ホーク)の離婚の後、6才でヒューストンに引っ越した瞬間に大人になっていると思う。
冒頭の夢見がちなミツバチの話、学校でも問題児だったようで、そんなやんちゃな感じはすっかりなくなり、まるで悟り切った大人のような賢い目で、母親の二度の再婚・離婚でドタバタする大人達を傍観し続ける。
結果的にあんなに大人に振り回されながら、捻くれず、道に逸れず(ちょいビールとか、ちょいウィードとかありますけど)、母親も、実父を含む二人の酷い父も恨まず、真っ直ぐに大きくなっていくメイソンが凄い。偉い。そして悲しい。
でも、もうちょっと反抗とかしてくれた方が、大人の私はほっとしたかも知れません。
メイソンは、6才でもう大人だったと書きました。
実は本作で大人になるのは、メイソンではなくその両親だと思われます。(恐らく)大学生?の時にできちゃった結婚している二人は、母曰く「子供が母親になったの!」状態で、口論が絶えません。バーに行きたい!パーティーに行きたい!と。
ですが離婚した後に、週末だけ現れる駄目父のイーサンがどんどん変わって行くのが分かります。イーサン・ホークいい!ちょっと見直した!
息子とキャンプに行き、SWの新作はどんなストーリーにするか語り合い、彼女と別れた息子と女の子談義をする。息子に「自分をしっかり持て。ブレるな」と励ます。「お母さんがもう少し我慢してくれたら……」と愚痴りそうになるけど、決して母親の悪口は言わない。両親の成長が分かる、メイソンの高校卒業パーティのシーンが素晴らしい。
父親から避妊の話をされる時の、娘サマンサ(ローレライ・リンクレイター※監督のお嬢さん)の照れた表情がとてもリアルで、それは12年間一緒にいたからこそのリアクションだと思う。父と息子が語り合う時の表情も、特別なんです。確かな感情が、そこに存在しているのが分かります。
ドキュメンタリータッチ&どこの家庭にもある何気ない会話&12年間の絆で、演技を越えた演技を観ることができる希有な作品だと思います。
妻と母と三人で見に行きましたが、全員不評。 まず男の子やその周辺の...
妻と母と三人で見に行きましたが、全員不評。
まず男の子やその周辺の人が実際に歳をとっていく様は映像体験としてかなり面白いと思う。大人になった主人公の顔が画面に映った時は結構ドキッとする。そこはすごく良いのだ。
ただし、ドラマというジャンルの映画作品としては今ひとつ。なぜかと言うと、話のディテールがあまりに素朴で特異な内容がないから。
例えば、お父さんに主人公がエルフって本当にいないんだよね?と聞くシーンがある。面白いと感じる映画だと、こういう不思議なやりとりは大きなテーマに収束していく1ピースになるはずと思って注目する。しかし、この映画だと、直後のハリーポッターが当時流行っていたという話に回収されておわり。
また、お母さんが水道工事の移民に勉強しなさいと話すストーリーも、単にその後に立派に見違えたレストランの店長やりながら勉強する立派な男になって現れるというのでおしまい。
シリーズもののドラマみたいな展開で非常に凡庸な会話が垂れ流される。そんな展開で150分越えは相当長く感じるし、苦痛であった。
試みは映画史に残るピュアで強いコンセプトのものであったのでただただ残念。
おもしろかった
大好きな血と運命と宿命系の映画だった。
お母さんがたくましくなるにつれ髪の毛が短くなっていったり、乗る車がその人の人間性を表してたり、演出も好き。
自分が、主人公に少し近い家庭環境で傷ついたことがあったから、すごく共感できて応援する気持ちになれたのかもしれない。
そういう自分の人生を肯定してくれている気がして、傷ついてきてよかったとすら思えた。
オールタイムベストの1本になった、とても大切な作品。
子供含めた家族の物語
6歳の少年が、大人になるにつれて家族が離れたり、くっついてはまた離れたり、と家族の構成がどんどん変わっていきます。
また、それに合わせて少年自身がワルとつるんだりとか、家族にも色々な変化がありました。
同じキャストで撮るのは相当大変だったでしょうか、最後まで撮りきれて喜んでいるのはスタッフさんたちかもしれませんね。
成長中に何があったのかが時代を感じる事が出来、それも面白さの一つではないかと思います。
ただこの映画、彼女と一緒で会話して終わりです。なんというかこう、最後の締まりがゆるく感じました。
もうちょっと前の高校卒業→大学入学するまでで終了した方が良かったのではと感じました。
そして中年になるまで。
アカデミー賞予想で評論家がこれが作品賞っていってたけど、
サラリと「バードマン」に持ってかれた本作。観てみれば納得。
カメラ好きのお父さんが撮り貯めたホームビデオの趣に近い。
「ビフォア~」のリンクレーター監督のリアルなダラダラ感が
私は好きだ。あの台詞もあの暴言も「あるあるネタ」に値する。
同じ役者を12年間使って一本の映画を作る。っていう実験映画
なんだけど、日本にだって同じ部類は多い。北の国からだって、
渡る世間~のえなり君だって、みんな見事に成長したもんねぇ。
子供の成長は楽しみであり残酷だ。ということがよーく分かる。
それがまさにこのリンクレーター映画なのだ。6才のメイソンが
両親の離婚から引越し、母の再婚、義父のDV、実父との交流、
初恋、挫折、夢、卒業と普通の子供が体験していく段階を生き、
もう12年も経ったんだ!を味わわせてくれる。面白いか否かと
いうよりは懐かしいかどうか、といったくだりで、誰もが体験
してきたいちばんの想い出をいま一度噛みしめるといった感じ。
P・アークエット演じる母親の結婚運のなさには泣かされるが^^;
新しい男とくっつく度にメイソンが「あーまたか」っていう顔して
ほくそ笑んでいるのが印象的。男の子ってのはホントよく見てる。
しようもない両親であろうと子供たちが一向にグレないのは凄い。
今作は夏休みの一か月を利用して毎年撮られたということなので、
季節が夏しか登場しない。継ぎ目で一年後の彼らに出逢うのだが、
あっという間に変貌を遂げた彼らの成長ぶりこそ奇跡!の賜物。
時間の経過による変貌は子供どころか親にも襲いかかるけど(泣)
12年間その姿をカメラに晒し続けたホークとアークエットには
素晴らしいの一言しかない。歳とってなんぼ。とはよくいうけど、
貫録を備えた逞しい俳優になった。映画ではほとんど中身が成長
していないところがまた魅力で、そう簡単に人間は変わらないと
いうところもよく描けている(生活面では向上しているけどね~)
(お母さんお疲れさま!あと葬式だけなんてそんなことはないから)
成長物語✨
メイソンと、サマンサと、両親の四人が成長していく姿が描かれてました。
妻は幾度も再婚離婚を重ね、それに従って子供達もいいこと、悪いこと様々な経験をした。夫も、彼は彼で第二の人生を送っているようだった。
この物語は、妻が再婚した夫を中心に描かれていたように感じたのは私だけだろうか?
12年の歳月をかけて作られたということにはとても大きな価値があると思う。
03.08
6歳のボクが大人になるまで。
boyhood
昨夜イクスピアリに訪れたら
この映画は昨日までだったと聞き
諦めて違う映画を見ることにした。
なおさら見たい!
少し早起きして有楽町へと出かけた。
4人の役者が12年間、
同じ役を演じ続け、
12年かけて撮影したという
この、前代未聞の映画
ストーリーがどうのこうの
演出がどうのこうの
そんなことはすっとばして、
ただただ優しい映画だった。
ただその事実が全て。
といった感じだろう。
興味本位で見に行き、
観れたことにただ満足である。
大人の映画
子供の成長を描いているように見えて、実際はもう中年から老年にさしかかろうかという監督の心情を吐露している私小説的な感じが強い映画だ。子供だけではなく、大人もちゃんと年をとるところがすごくリアル。子供が成長するのは当たり前だが、大人が老けていくのはやはり残酷としかいいようがない。
子供に夢を託しているというより、単にうらやんでいるだけだ。「コンドーム持って行け」と言いつつ、大人は結婚を繰り返し、平気で子供を産む。大人の醜さは子供の純粋さによって際立つ。子供ではなく、大人を描きたかったはずだ。
少年時代へのあこがれ、郷愁。成長ではなく、老化。
最後のシーンは少年期を葬るための儀式のようなシーンに思える。まさにラストシーン。偶然同室となった男性の雄叫びが、偶然恋人となるはずの女性の肉感的な微笑と呼応して、ハッピーエンドではない不気味さを残す。終わりの始まりのような結末。
主人公がしゃら臭い
主人公のメイソンが子供の頃は可愛かったのに、思春期を迎える辺りから、話しかけられるとちょっと難しそうな顔をいったん作って、ボソボソとかったるく話すようなしゃら臭いタイプになってしまい残念だった。
高校生になってもスカしたしゃら臭い若者で、それでいて、いい女が寄って来るのでムカムカした。
イーサン・ホークのお父さんぶりがすごくよかった。子供二人が会話をはぐらかそうとするのを、楽しく話をしようときちんと向き合おうとするところ、すごくよかった。あんなお父さんが欲しいし、そうなりたい。マッスルカーを売ってしまってミニバンになっていたのが悲しかった。
主人公が愉快な少年だったらよかったのに、あいつでは退屈で持たない。残念だった。お姉ちゃんで作った方が楽しそうだった。
家族のアルバムをゆっくりとめくるかのような。
ある少年が6歳から18歳になるまでのドラマを、
実際に12年間かけて撮影したという異色の作品。
監督のリチャード・リンクレイターは大ヒット作
『スクール・オブ・ロック』(2003) の公開前から
この映画を制作し続けていたことになる。
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ぶっちゃけて言ってしまえばこの映画、開幕から終幕まで
ある少年の日々の出来事が淡々と綴られていくのみである。
この物語を一体どう着地させるつもりだろう?と
中盤まで不安を抱いていた。
だが映画が進むに連れて、これはいわゆる“物語”として
楽しむ映画ではないのだという事を考え始める。
登場人物達によってA地点からB地点へ導かれるのではなく、
登場人物達と共に当てもないどこかへと歩き続ける感覚。
165分という長い上映時間で、派手なシーンも無いのに、
どうして彼らから目が離せないのだろう?
どうしてこんなにも親近感が湧いてくるのだろう?
スタンダードな――つまり年代毎に異なる役者が主人公を演じる手法では――
この感覚を生み出すのは至難の技だったと思う。
作り手はそれを見越して今回の12年間撮影という大胆な
手段を取ったのだろうけど、12年間同じトーンを保ったまま
映像・演技・演出を撮り続けるなど気が遠くなるような作業だ。
定期的に公開されるならまだしも、完成できる保証も無いのに
よくもモチベーションを保ち続けられたもの。
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『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』や
『アメリカン・スナイパー』といった大型作品と共に、
2014年度アカデミー賞作品賞にノミネートされている本作。
上記2作品は未鑑賞ではあるけれど、本作を観ると、
作品を比較するという行為自体がどうにも無意味に思えてくる。
なぜって、この作品があまりに “唯一無二” だから。
同じジャンル・方向性の作品ならまだしも、
映画にはこんなにも多様な方向性があるというのに、
そこで優劣を競わせることに果たして意味があるのかと思えるから。
この映画に爆発的な感動や衝撃は無いだろう。
度肝を抜かれるような斬新な演出も無いだろう。
だがこの映画にはたしかに、誰かが歩んできた
人生の欠片が詰め込まれている。
作り手の、役者の、映画の中の登場人物たちの、
そして僕ら観客自身の人生の欠片が。
この映画はあなたに物語を与えてくれなどしない。
この映画は、あなたがこれまで歩んできた人生と
照らし合わせて初めて輝きを放ち始める作品だ。
この作品は主人公くらいの子を持つ親になった頃に観て
ようやく完成されるのかもしれない。
判定4.0としたが、僕はまだ本作を十分に観たと言えるほどの人生を歩んでいない。
10年後にこの映画を観直した時、今よりも高い判定を
付けられるような人生が歩めていたらありがたい。
懐かしくも微笑ましく、そして少し物寂しいこの手触り。
ちょうど、家族のアルバムをゆっくりめくりながら、
過ぎ去った日々に思いを馳せるような、そんな映画。
<2015.01,24鑑賞>
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余談1:
文脈に沿わなかったのでこちらに書くが、
主人公の両親を演じた2人が素晴らしく良い。
パトリシア・アークエット。
macfan_0102さんが既に書かれているが、
終盤、主人公の母親が突然泣き出すシーンは、
観賞後半月経った今でも鮮明に覚えている。
人生の重みがズシリと伝わる見事なシーンだった。
そしてイーサンホーク。
甲斐性無しで別れたとはいえ、優しくフランクに、
だがあくまで真剣に子どもと向き合う親父さんは
ムチャクチャ格好良く見えた。
成長していくのは子どもだけじゃないんだよね。
余談2:
タイトルについて。
『Boyhood(少年時代)』というシンプルな原題が何故
こんなあざとく長ったらしい邦題になるのだろう?
宣伝担当の主張が作り手よりも前に出てきてる気がして
すごく厭。
ちなみに原題は当初『12years』になる筈だったそうだが、
昨年の『それでも夜は明ける(12 years a slave)』と
混合されるのを避ける為に変えたのだとか。
公開までもう少しだったのに……。
もうひとつ何か欲しい
アカデミー賞最有力と言われる本作。
12年間同じ役者を使って撮ったという話題性だけでも映画としては成功していると思う。
ただ、ストーリー重視派の自分には少し物足りなかった。
12年間同じ役者を使って撮ったのは、登場人物たちの成長と老い、そして母親のダメンズウォーカーっぷり。
子供達にとって父親としての役目を果たしていたのは、歴代父親の中で唯一出続けた実の父親だけだ。
基本的に子供達の成長を見守る視点で観ていたが、たまにメイソンの目線で「また母親に男ができるのか…」といった感情も抱く。
そして後半には間延びしてしまった感。
メイソンが大学に行くために家を出て車を運転しているシーンで終わった方が後味は良かった気がする。
同じキャストを12年間使ったといったことを抜きにして、もう少しインパクトが欲しかった。
家族は老いる
主人公はほとんど話さない。今時らしい無気力でいて社会に反抗的な男の子に育つ。残念。劇的なヒーローではなく一人の人間でしかない。成長ドラマ。アメリカの家庭で男の子が大学進学(ひとり立ち)するまでを描いている。
節目ふしめでキャラクターたちがいいことを言う。父親、彼女、母親。
母が賢いので救われる。
母が、人生最悪の日だわ、と嘆くので胸が痛んだ。今後の人生が空虚に思われたんだろう。人間というのは子を育てあげたら、あとは40年先の死ぬまでを過ごさなきゃならない。そんなに長い時間をどうやって?悲惨だ!いままでずっと、20年近く最優先にしてきた未来ある子供達じゃなく、疎かにせざるを得なかった(ないがしろにしてきた)自分について、あとは死ぬしかないのに、改めて見つめろと。あんまりじゃないか。人生を奪っておきながら、「ここまでで結構」とは、子供はなんて勝手なんだ!
人生を子どもに捧げた親が行き着く悲しみが、演者が老いるこの映画だから伝わった。
環境や物事の感じ方が変わったらまた観たい
リチャード・リンクレイター監督は会話に重点をおくから好きだ。
会話は良い。
会話の中に散りばめられる些細な情報でその人がわかってくる。
映画に出ている人々がよく見えてくるような気がする。
6才の少年の人生を通して、自分の過去を振り返りながら観ていた。
小学校低学年の頃に両親が離婚し、母子家庭で育てられた自分の過去を重ねた。
一見大きなドラマがないこの話、ほんのささいなところに共感を感じるため、自然と画面から目が離せなくなる。
良作。
父親がすき
とにかく私は実の父親がすき。とても人間らしくて、だらしなくて、子供みたいにはしゃいで、大人の発言をしたり、哲学的な話をしたり。魅力的で大好きでした。とゆーか私のお父さんに顔が似てて生きてたらこんな話しをしたかったなぁーとか思ってました。
B級映画で好き嫌いが分かれると思うけど、私は大好き。
一人一人の心がしっかり描かれていて、あっとゆうまに時は過ぎるけど、しっかり時は流れていく。確実に人を大人にする。
ビックリするような出来事は起きないけども、色んな変化があって生きている。
面倒だなぁーと思いながら過ごしている今の私も、こんな風に一本の映画にしたらそれこそ人生においての分岐点なのかもしれない、今が。心をうまく開こうとしない主人公の気持ちがよく分かってはたから見たらこんな素っ気ない態度をとってるのかとか反省してみたり、、エンドロールで色んな事を考えた映画でした!
一瞬はまとわりついて離れない。
ぶれない12年間
3時間。長いなあと思いつつもアカデミー賞候補ということで外せず見に行きました。
でも終わって出てきてみると、わりと短かったな、と感じました。
わりとすっきりしていたというか。
私には批評家の気持ちがまったくわかりません。
もちろんとてもいい映画です。半年前から観ようと思っていましたが、その期待はちゃんと返してくれてはいます。だけど、満点あげる映画でもないだろと。
多分、同じ画の中で12年間という時が流れているということに対する物珍しさじゃないかな、と感じました。
でも、主人公メイソンはとても面白いです。
「普通とは何か」とか、「一瞬って何か」とか、とても十代とは思えない発言が多くて、見ながらひとりでぶつぶつと反論してしまいました(苦笑)
あと常にぶれないところ。何年経っても親子の会話の流れが似ていたり、同じ癖が目立っていたり。12年かけて撮っているのにそのあたりのぶれが生じない部分すごいと思います。
あと音楽。観ながら分かったのはcoldplayの「yellow」とArcade fireの「deep blue」だけでしたが、色々と耳に覚えのある音楽は良かったです。
本当なら4.5あげたいところだけど、長いからマイナス0.5。
あっという間
同じ役者を使い続けることに、作品としてどれだけ効果があるのかと思ったが、観終わった後にわかる。
とても良い。
映画で時の流れをこれほどまで感じたことは無い。
母の最後の嘆きは、とても残酷で衝撃的。
一瞬より時の流れが大事という最後の2人の会話は、まさにこの作品で伝えたい事のように聞こえた。
この映画は人を選ぶ
一般の人たちの評価は二分されると思う。起承転結がハッキリしたストーリーが好きな人向きではない。一つの家族のドキュメンタリーという感じ。
個人的な意見として、リアリティーのある映画は観てて感情移入しやすく、非常に好きである。
それに関してこの映画は非常によかった。役者が12年間統一されて起用されていることが大きいが、それ以外にも、時代の移り変わりに伴った社会事情の変化や、携帯電話、ゲーム機など、その撮影当時の最新のものを起用してシーンに入れており、時代の移り変わりを表現する細やかな気配りが見て取れた。
役者は歳をとるため撮り直しがきかず、何より12年間の積み重ねの結果できた映画と思うと、非常に貴重で愛おしく思える。
あの時代は自分は何してたかなぁ、あの年頃は自分はどんな人間だったかなぁ、などと自分の人生と比較しながら観ると楽しい。そして今の自分は?昔描いた自分の理想像に近づけているだろうか?今思う自分の理想像はどんなだろうか?どうありたいのか?思いを馳せると止まらない。
この時代、この映画から多くの幸せ、愛を感じ取れる人は、どれ程いるのだろうか?と考えてみたり。
公開場所が少なかったため、遠方での鑑賞となったが、その価値は十二分にあった。本当に観てよかった。
日々の大切さ
六才の少年が大学生になるまでの日々の日常がゆっくりと流れるストーリー。
大きな事件や奇想天外な物語ではなく、淡々と流れる日常がリアルで、自分の過去の出来事を思い出したりしながら観ていた。
特に父親とのシーンが印象的で、女の子の口説き方を教えたり娘と息子に避妊の大切さを説教したり(自分の失敗談として笑)息子の誕生日にオリジナルの歌を唄ったり(これが結構いい曲)父親のセリフ一つ一つが面白く愛情を感じられた。まさに理想の父親。
時は常に人生によりそっている
題名そのまんまのお話です。
6才のボクが、大人になるまで。
描き方に技巧は使わず、メインキャストを12年撮り続けた軌跡が淡々と流れてゆく。
6歳から18歳かぁ。
その時代を追体験したような、子育てを覗き見したような感慨を覚えます。
母と父の成長記でもありました。
特に父ね。子供っぽかった父も、まともな職を得て、再婚をして、息子が高校卒業の頃には、昔の母の理想を体現したって自分でゆってた。でもそれは父にとっては不本意であり幸せでもある。
母の再婚相手は良くなかったね。その後の彼氏も酒癖悪めだったね。母も辛かったでしょう。
メイソンとサマンサは母やその夫に振り回されながらも育ったね。年相応の悪さと惑いと恋と別れ。
ラストで大学生になったメイソンが、こんなようなことを言いました。
時は常に人生によりそっている、と。
上手いこといいましたな。正にこの映画についての一言です。
二時間半越えの長丁場でしたが、とても短く感じました。
ドラゴンボールを観て、ゲームボーイアドバンスをして、Xboxをして、トヨタのトラックに乗ってましたね。メイソンなかなかジャパン好き。あ、Xboxはアメリカのか?
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