「生きたいという意志の大切さ」イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所 REXさんの映画レビュー(感想・評価)
生きたいという意志の大切さ
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ヤング・アダルト小説ということで、内容はやや薄く、ミアと恋人のアダムのまっすぐで単純な恋愛模様には複雑な心の機微というものが感じられない。いくら愛してる、愛してるを連呼しても安っぽさは否めなくて。
ただこの二人の恵まれた環境こそが、のちにミアを襲う不幸と対比になっていて、彼女が現実に立ち向かえるのか?という不安要素にはなってくる。
結局は一番泣かされたのはおじいさんの独白ですね。
実話でもよくある話ですが、事故で意識がないと思われている人間にも、実は意識があるかもしれないということを考えさせられました。もし自分の大事な人間や友人が昏睡状態になったら絶対に話しかけて触れてあげたい。脳の回路がカチっというまで、刺激し続けてあげたい。そんなことを考えながら観ていました。
事故にあったミアが目を覚ますまでの至ってシンプルな話を、編集の上手さでカバー。そこそこ売れてるパンクバンドとそのグルーピーだった両親、それなのにクラシックに目覚めた娘という設定がいい。
ミアが回顧する最上の日でセッションしていた時に弾いていた曲が、私も聞き込んでいたスマッシング・パンプキンスの「today」。本筋に関係ありませんが嬉しかった。改めていい曲だなと聴き入りました。チェロ合いますね。
ミアは恵まれすぎているといっていい。それをクロエ・グレース・モレッツが嫌みなく演じる。
彼女の瑞々しさがこの映画の魅力といっても過言ではないです。
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