裏切りの獣たちのレビュー・感想・評価
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楽しめましたが、安っぽさを隠す工夫があれば・・・
潜入捜査中に強盗事件に加わることになった主人公と、その友人で真面目一徹な警官の物語。
珍しい南アフリカ発のアクション映画です。ストーリーはシンプルでテンポ良く話が進みます。警官が悪に引き込まれるストーリーと聞いて、暗いダークな話を想像しましたが、寧ろ軽妙な印象を持ちました。
アクションは中々の出来栄えで見応えがありますが、それでもVFXなど安っぽさを感じる場面も散逸。少し勿体なく感じます。
また、襲撃グループに重さを感じません。主人公と因縁がある人物がいるのは良いとして、他にも幾つも軋轢があり、ヘタレなドジもいる始末。巨大である必要はありませんが、しっかりとした敵役にした方が主人公達がより映えたように思えます。
リアルすぎるリアル。人間の欲望の現実。
【賛否両論チェック】
賛:南アフリカの犯罪と、それに立ち向かう警察側の描写が非常にリアル。ラストのチリとシューズの連携プレーも見事。
否:主人公は思ったより活躍しないので、痛快な活躍は期待出来ない。登場人物目線のシーンも多いので、酔いやすいかも。
犯罪組織の計画も、主人公達の強奪計画も、そこまでウィットに富んでいるとかスケールが大きいとか、特にそういったことはない、どちらかといえば地味なものではあります。しかし、そのイイ意味で映画らしくないところが、南アフリカの現状を克明に描き出しているようで、かえってリアルです。
警察の汚職は言うまでもなく、犯罪組織のメンバー内で、金を巡って奪い合いが勃発したり、主人公自身もまた、汚職をして楽に仕事をするか、あくまでも正義感を胸に報われない潜入捜査を続けるか、究極の選択を迫られます。日本人の価値観ではなかなか計り知れない、世界のリアルな実情がここにあります。
グロシーンはかなり多いので、ご注意を。現実主義な映画が好きな方に、是非オススメです。
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