劇場公開日 2015年9月5日

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「求める社会について考えてみる そして今」ギヴァー 記憶を注ぐ者 nakajiさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5求める社会について考えてみる そして今

2022年3月8日
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児童文学なんですが、なかなか考えさせる作品です
子供はそれなりの理解しか出来ないので社会主義社会は悪という潜在意識を持つ事になるかもしれませんね
でも大人には人類のたどりつくべき社会について考えるいい機会になります

コミュニティーは社会主義の未来というか、どこかで見た事のある新興宗教がありましたよね
とてもよく似ています
もちろん色という概念まで忘れ去らせる所までの力はありませんでしたが、もっと進んだ思想もありました
コミュニティーでは、自分の子供を育てる事は出来ないが家族の形態は残っていましたが、あの宗教では家族さえ無く子供は全員一緒に育てられていたような

最終的な目標は人生を豊かに生きる事ができる社会じゃないでしょうか
競争はあっても争いの無い世界
飢餓の無い、一定水準の生活が保証された世界
人が感性を自由に発揮できる社会

資本主義、社会主義には良い点、悪い点があるから存在しているけれど
社会主義はヒトに私利私欲があるかぎり理想には到達出来ないだろうと思います
資本主義になびかないように思想統制、情報統制がひかれ、腐敗が蔓延するから規律が厳しくなり、密告制度ができたり、人同士が疑心暗鬼におちいる
そして、プーチンや習近平、金正恩のような独裁者が産まれる

社会主義は貧困から生まれた制度なんだろうけどヒトが成長しない間は手を出すべき制度では無いと思います

この映画は大きな戦争の後の世界で、戦争を起こさないために考えられた社会だったのに、違った考えが復活したので争いが起こりました

今、また違う考えの世界どうしの争いが戦争という形で起こっています
ロシアのウクライナ侵攻はヨーロッパおよび北米軍事同盟であるNATOにウクライナが入る恐れから行ったもので積極的な行動では無いように思えます
しかし、武力を行使した以上弁解の余地はありません
社会主義の大国が人として犯してはならない
殺し合いをしかけてきた事は別の思想を持つ社会との共存は馴れ合いでしか無かったと言う事でしょう

世界はいつ崩壊してもおかしくない
緊張感をもって対処しないと恐ろしい事になります
今のように、二つの世界が均衡を保っているのは良い状態ではなく、一番危険な状態です

映画とはかけ離れてしまいました
歌手のテイラー・スウィフトがギヴァーの娘役で出演しているのは、嬉しいサプライズです

nakaji