アクト・オブ・キリング オリジナル全長版のレビュー・感想・評価
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インドネシアで100万人規模の大虐殺を行った彼らは英雄視されプレマ...
インドネシアで100万人規模の大虐殺を行った彼らは英雄視されプレマンと呼ばれるギャングだった。彼らに「あなたが行った虐殺を、もう一度演じてみませんか」と監督がけしかけて彼らの再現映画作りがスタートする。良心の呵責に気づいていくえづきのですしアンワル、選挙に立候補する演技上手の太っちょヘルマン、残虐なのは共産主義者ではなく実は我々だと平然と語る切れ者ひげアディ。加害者たちの日常風景や政府が制作したプロパガンダ映像が追加シーン。
AbemaTVにて
胸が張り裂けるような思い
インドネシアの英雄という名の元殺人鬼、アンワル。
楽しそうに歌い、踊り、過去の殺人や映画について少年のように語る彼を好きにならずにいられるだろうか。
しかし彼が語り、映画にしようとする殺人は想像を絶する残虐さなのだ。
いったいぜんたい、僕は彼のことをどう考えればいいのだろうか。
悪夢にうなされると語るアンワルに、胸が張り裂けるような思いだ。
気になってたけど、劇場で見れなかったのでDVDで。 3分の2ほどま...
気になってたけど、劇場で見れなかったのでDVDで。
3分の2ほどまでは、いかに残虐に殺した、自分がいかに共産主義をつぶした、という自慢と過去の栄光を語るが、自分がその虐げられた役を演じていくにつれて、痛みや苦しさ、殺された周辺の人々への思いも募ってくる。
戦争時は殺すことが英雄だという思考停止状態から、自分で人を殺すということを客観的にも主観的にも振り返ることができた時、本当の自分のしたことが明らかになってくる。そこからではないだろうか、戦争(紛争やクーデターなども含め)は明らかにダメだということを。
好きとか嫌いとか言わせない圧倒的真実
シアターイメージフォーラムデビュー
たまには表参道界隈で文化に浸ってやれ、ということで遅くなったら雨になること間違いなしの日にもかかわらず駅から徒歩8分の場所まで来た。好きだね、俺も。
インドネシアの闇として真実がいまだに明らかになっていない、"共産党員2万人虐殺" という「9月30日事件」の関係者インタビュー映画とのこと。めちゃくちゃ文化度、高いでしょう。おまけに、今封切られたのは、ルックオブサイレンスという映画なのだが、こちらは被害者側からの視点で、以前上映されたこの映画は、加害者側からの視点だという。映画通気取りで来ている俺は、21:00開始と言われても、もう観るしかないでしょう。
さて、観た結果です。
ドキュメンタリーってすごい。好きとか嫌いとか言わせない圧倒的真実。「ゆきゆきて神軍」以来の押し潰され感。
混乱期、戦乱期にはギャングがのさばり、時には英雄視さえされる、本人もそれに慣れ自分のしたことを正当化でき壊れずという映画なのだが、40年経った今もまだ半ば英雄として暮らしているのは、なぜなんだろう。インドネシア国民はまだ戦後の混乱精神の中にいるままなのだろうか?
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