劇場公開日 2015年9月12日

  • 予告編を見る

「ゲームが空から落ちてくる」ピクセル ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ゲームが空から落ちてくる

2015年9月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

「宇宙人がゲームの姿を借りて地球を侵略してくるぞ!」という、その発想というか、着眼点がたまらなく素晴らしいですね。今まで有りそうでなかったでしょ(近いところで『シュガー・ラッシュ』とかありましたけど。まああれは侵略とかじゃないですからね)。クリス・コロンバスのオリジナルではないんでしょうが、如何にも彼の好みそうな、遊び心あふれるテーマだよなぁと。

パックマン、ドンキーコング、ギャラガなんて懐かしくて、おっさん世代にはたまらんでしょう。今の子供にゃピンと来ないでしょうけどね。だけど、ゲーム好きのスピリッツというか、今だって世代を越えてスーパーマリオとか遊ばれ続けてる訳じゃないですか。ゲームのカタチは変えつつも。そういう昔からワクワクさせてくれたものって、例え往年のゲームを知らなくても、絶対に子供に伝わると思うんですよ。
だからこの映画、家族連れだって観に行っても充分だと思うし、ポップコーンムービーとしての側面(むしろそっちですよね)でも間違いなく楽しめる内容です。

……と、うん。まあ、そうなんです。そうなんですが。が。

はい、うーん。ええと。えー、けど要するに、哀しいかなそれだけの映画になってしまってるですよね。プラスアルファの部分がないというか。クリーンなんですね。表面つるっつる。「皆で大いに楽しめる!」以上の部分がないというか(まあそれで充分ちゃ充分なんですが)。
んー、なんて言えばいいんだろ。クリス・コロンバスをDISる訳じゃないんですけど、この監督さんて、その、アイデアや着眼点、エンタメの目利き性能、どれを取っても凄く秀でたものがあってですね(ハリー・ポッターシリーズの1作目2作目の監督を堂々と務めた人ですし)。それは認めております。
それなのに、そういった素材を物語に落とし込んだ途端に、あら不思議。激しく凡庸な作風に落ち着いてしまうというか。サプライズがない。フラッシュ・モブ的なものがない。悪い意味で、毒がない。
で、その部分が全くダメってことじゃないんですよ?手堅く纏めてる証拠でもあるので。ただ、自分はなんか非常に勿体なく感じたんですよ。普通かよ、と。今回も普通かよと。こんな美味しい素材で、このツクリか?と。

はい。ちょっと理屈っぽいですかね。黙りますね。

ロロ・トマシ