「こういう映画に珍しい、清々しい観後感でした。」さよなら歌舞伎町 年間100本を劇場で観るシネオさんの映画レビュー(感想・評価)
こういう映画に珍しい、清々しい観後感でした。
平日夕方でガラガラだと思ったら(失礼)、
ロイ・キムさんの舞台挨拶で超満員w
初めて見る彼は、丁寧な好青年でした。
歌舞伎町に溺れた底辺の人々が、
微妙に絡み合っていく。
それはとてつもなく果敢なくて、切なすぎる。
けど皆、意外にカラリとしている。
そこが救いであり、この映画の魅力。
俳優陣のカラダを張った演技に、
つい見入ってしまいました。
若い頃、この町で数年バイトしたことがある。
そして、こういう人たちをたくさんみた。
シゴトに不満だらけの人も、
家出少女も、デリヘル嬢も、枕営業のオンナノコも、
インチキなチンピラも。
そんな街に自分も飲み込まれ、
すべてを奪われそうで怖かった。
そんな場所だったことを想いだしてしまう、
リアリティがありました。
ひとつのホテルを軸に、
一日の出来事が展開していく。
大好きなギミックだけど、
ミステリートレインのように、
唸らせるくらいの決着が欲しかった。
それと
登場人物を削ってでも、
もう少し深みを表現できたら。
そこだけが、惜しかったです。
でも
清々しい観後感を、劇場全体で共有できた。
こういう映画に珍しく、素敵な時間でした。
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