劇場公開日 2015年1月24日

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「昭和の匂い。」さよなら歌舞伎町 mg599さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0昭和の匂い。

2015年2月2日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

いま怒涛のように新作が公開されている監督のひとり、廣木隆一。
荒井晴彦と組んだオリジナルの1本である。荒井晴彦ばかり取り上げられて、クレジットされているのだから、ほんとは同等に扱わなければならないであろう中野太との共作である。

新宿のラブホテルを舞台にした群像劇である。
群像劇というだけでポイントは高い。
一流ホテルマンを目指しながらも、しがないラブホテルの店長をしている徹(染谷将太)。
韓国人のデリヘル嬢ヘナ(イ・ウンウ)。
逃亡中でラブホテルの掃除婦をしている鈴木さん(南果歩)。

たぶん、ひとりひとりがそれぞれに1本の映画にできそうな濃いキャラクターである。そうかつてのにっかつロマンポルノなら、それぞれが主人公である。
そういう昭和の匂いがする映画であった。
「時効」などというタイムリミットも昭和の産物である。

特にひかれたエピソードはヘナの最後の客である。浴槽のシーンの長回しは廣木隆一の面目躍如というところだ。ただ、風俗で働くことが汚れること、という価値観は、やっぱりいまだに根強いのか、と少し残念に思う。
徹の妹 美優(樋井明日香)がAV女優をやっていることについて、本人は立派な仕事だよと言うが、親には言えないという。これはわかる気がする。

樋井明日香、我妻三輪子、河井青葉と新しい女優も出演している。
この中で、河井青葉は要注目である。

これがオリジナルというのがうれしい。

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mg599