ニンフォマニアック Vol.2のレビュー・感想・評価
全26件中、21~26件目を表示
Vol.2 単独の面白さは無く、物語を完結させるためだけの作品。
全く面白くなかった訳では無いですが。
Vol.2における目新しい要素は殆ど無く、Vol.1同様に期待外れでした。
自らを「色情狂」として自身の経験を赤裸々に語るジョー。
彼女の話を自身の知識と関連付け寛容に許容するセリグマン。
彼等の掛け合いが微妙に咬み合っていない大きな理由が冒頭で明らかに。
…明らかになると同時にセリグマンの口数が随分と少なく。
地味に傷付き、取り繕う努力を放棄したセリグマンに思わず苦笑しました。
しかしジョーが語る話の衝撃度は本作でも残念な感じ。
Vol.1で判断を持ち越した、ジョーの体験談の衝撃度はVol.2でも跳ねず。
若い時のジョーのフレッシュな体験談に比べると更に間延びした印象。
突き抜けた、常人には理解出来ない域にはいかず期待外れでした。
ブラックコメディ要素も中途半端。
小ネタが随所に差し込まれるものの、Vol.1 第3章「ミセスH」には遠く及ばず。
不良黒人2名とジョーの「オレオ」の際のイザコザは少し笑いましたが。
それ以外の部分はイマイチでした。
題名、テーマ、監督の割にやはり衝撃度が期待値を越えなかった本作。
Vol.2 単独の面白さは無く、物語を完結させるためだけの作品という位置づけ。
Vol.1と2を併せてキュッと絞った方がまだ良い作品になったのではないかと改めて思いました。
鬱展開を狙ったラストもイマイチ。
最後の最後まで衝撃度に欠ける作品でした。
個人的に、あの場面は攻守交代でジョーの生まれ持った「色情狂」を発揮して観客共々翻弄した方が良かったと思います。
普段刺激が少なくセリグマンのような生活を送っている方。
オススメです。
急遽の放置プレイ
トリアー、やってくれたな!!!と思った。
食い逃げならぬ、監督逃げのような、終わり方。
観客全員、放心状態。
さすがトリアー先生、ラストのラストを見せるための
vol.1とvol.2だったんですね!!
vol.1で観客をしっかりつかんでおいて、
vol.2でそのまま思いっきり地面に叩きつけられたような感じ。
性、欲望、哲学、人類、道徳、偽善、宗教、救済・・・
そういったものが、まるでレストランの残飯のように、
一緒くたに青いバケツに突っ込まれる。
これがトリアー節だ!
あとは己で考えろ!!
そんな感じ。
人生の節目節目に見たい。
ラストは陳腐だったけど
衒学的、哲学的で、かつ笑えるシーンもありおもしろかったです。あれっこれって、アンチクライストのあのシーンにつながるのっていうシーンなんて音楽もそうだったので笑いました。
ラストでのジョーの決意やその後の出来事の凡庸さは必要だったのでしょうか?
秀作
VOL2はきれいにまとめてくれました。JOEの、路地裏で倒れていたたまでの物語がちょっと尻切れトンボというか、フォン・トリアーだったらもう少しサディスティックにやってもいいんじゃないかとも思いましたが、十分に秀作のレベルに達しているのでいいと思います。
結局は主知主義というのもどこかいんちきくさい代物で、目の前にあるまったくもってつじつまの合わない、正体不明な「自然」の力の前にはひとたまりもないものなのかもしれません。
落ちはまるで古典落語のようにスパッと切れています。あんまりにもきれいにまとめすぎてびっくりしました。結局はフォン・トリアーも自然そのものの「あっち側」のではなくて、常識的で主知主義的な「こっちの人」なんですよね。こういうインテリっぽい作品構成を見ているとひしひしと感じます。あっちに行きたいけど、怖い、こっちにいたままだと苦しい、その辺の絶望が反映された映画かなあと思います。
全26件中、21~26件目を表示