劇場公開日 2014年11月1日

「色情狂の人生」ニンフォマニアック Vol.2 やべっちさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5色情狂の人生

2021年2月7日
iPhoneアプリから投稿

前後編のレビュー通じて。

ある色情狂の女性の人生を章じたてで、えらく哲学的に神話的に歴史的に学術的に語る本作。
基本は、色情狂の女性が、自分の過去をおっさんに独白するという長い対話の映画なのだが、
大学で色情狂の授業を教授から受けているような不思議な感覚に陥った。とにかく知性が光る。

ラースフォントリアー監督作品の中では、悲劇もなければ残虐性もなく、極めて観やすい。すごく真面目に色情狂を語るのが、シュールすぎてコメディチックにも感じる。

若き日の主人公役のステイシーマーティンがたまらなく美しいので、中身が薄くても画に見応えはある。(後編からおばさん役で別の女性になるのが悲しいくらい。)

なんで二部作にしたのかは謎で、一作でまとめられそうな内容だが、とにかく知性的な映画なので、変な満足感はある。

一応18禁だが、それはアーティスティックであって、扇情的ないやらしさは皆無。ある特異な女性の奇妙な一生を描いた作品という感じ。

ラースフォントリアー監督の倒錯した芸術性を、他作品よりは精神的なダメージを受けることなく手軽に楽しめるという意味では、アリだと思った。

やべっち