劇場公開日 2014年11月1日

「エロスの色情のまえに抱く、キリストの色欲の罪」ニンフォマニアック Vol.2 カメさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5エロスの色情のまえに抱く、キリストの色欲の罪

2020年3月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

個人評価:3.7
抑えきれない色欲を、4時間半もの時間をかけて紐解いていく。人間の強い感情の一つを、毎作品カタチを変えて描くラース・トリアー。今回は色情狂というテーマを存分に味わう事が出来た。
エロスになぞらえた主人公と、そのエピソードを聞く老紳士。まるでエロスとキリストが話している構図のように見え、最後のエロスの色情の前に、色欲の罪を見せたキリストのメタファーが、本作をさらに邪悪な作品に仕上げている。
自分の樹を見つける事で、強く生きる事ができるという父の教えが、ラストの救いの無い展開の伏線にもなっており、この世は辛く厳しい真冬の中で、あの樹の様に強く立ち続けなければならないと格言めいた印象を与えてくる。

カメ