「山岳小説の金字塔、と言われた小説の映画化だが・・」エヴェレスト 神々の山嶺(いただき) flying frogさんの映画レビュー(感想・評価)
山岳小説の金字塔、と言われた小説の映画化だが・・
クリックして本文を読む
登山経験あり、原作未読。
いろんな時代のシーンが出てくるが、登山装備や登攀技術(確保法など)の時代考証がしっかいりしていて「へぇ、やるな」と思いながら見ていた。
ただ、岸のロープを切った疑惑はどうなのよ。
ロープが岩角で切れたかナイフで切断されたかは、ロープの切断面を見れば一目瞭然だし、切断された場所を見れば、ナイフなら誰が切ったかも即座に分かるでしょ。
他の作品でもたまにあるけど、この問題を「謎」として扱うのは無理。
深町の心情の変化もシナリオが圧縮されすぎた感があって判りにくい。
マロリーはどうでもいいの?原作ではこの問題にフィクションなりの解答を出しているはずだけど、映画ではマロリー問題から逃げたのかな?
クライマックスは、ノースコルから頂上を目指したマロリーと、南東壁を登攀していた羽生と、ノーマルルートを登っていた深町が何故一堂に会するわけ?
それはいくら何でもちょっとムチャでしょ。
映像も期待したほどではなかった。
「剱岳 点の記」の剱岳の方がスケール感も上だった。
総じて、ちょっと入り損ねた映画だったかな。
(追記)
原作を読んだら、原作では深町、羽生、マロリーの3人が一堂に会するのだ?という問題は、強引ではあるけれど何とか納得できる理由付けがされていた。
ただその理由は映画では、深町がネパール側から登っている以上、成立しない。
原作でも「あり得ない」と作中で深町が独白していたってのに、映画ではそのセリフを叫ぶのは観客だ(笑)
まあ、ほとんどの観客はエベレストの地図概念はないだろうから、あれがどれだけあり得ないシーンなのかは判らないだろうけど。
コメントする