「途中から違う方向に」エヴェレスト 神々の山嶺(いただき) ハルさんの映画レビュー(感想・評価)
途中から違う方向に
現地での撮影では撮れ高が良くなかったのかしらないが、前評判ほどではなかった。引きの映像は多くないし特に終盤はひたすらアップのシーンばかりで苦笑するよりない。
吹雪のシーンも好天で撮影したものを色調なり雑なノイズなりで誤魔化しているようにしか見えず、阿部ちゃんや岡田くんの装備など含め極地へ挑む雰囲気はほとんどゼロに近い。オノマチが不自然に首を振るとキャップのモン○ルマークが!とかはご愛嬌としても酷いよね。
山焼けのメイクもゾンビにしか見えず、岡田くんがラストで生還する演技がゾンビ感を増幅していた。というか確信犯ではないだろうか。
制作側としては原作(特にマンガ版)を配慮したのだろうが、あの内容を極力なぞった結果、ダイジェストに成り果てたという残念な作品に。どうしてもっと脚色できなかったのか。そのくせ羽生の遺体は体育座りじゃないんだよね。マロリーもどうでもいいとか言っちゃうし。まあ遺族のこととかあるんだろうがだったら完全に設定から外した方がまだマシだったろう。
突っ込みだしたらキリがないが、それでも映像化されたことだけは評価したい。そして後半はコメディだったと思う。
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