「原作ファンとしては…うーん」エヴェレスト 神々の山嶺(いただき) rioさんの映画レビュー(感想・評価)
原作ファンとしては…うーん
原作ファンで、公開をずっと心待ちにしていました。完成披露試写、初日舞台挨拶の回、平日と3回見ましたが…正直、レビューに並ぶ「駄作」の文字に納得せざるをえません。
何よりも残念だったのは、原作ファンとしては省いて欲しくない名セリフや名シーンが省かれていること。観ていても「あれ、ここであのセリフ言わないの?」などと疑問やもどかしさばかりが募り、心から愉しむことができませんでした。完成披露の時など、すすり泣く声があちこちから聞こえましたが、ごめんなさい、すごく冷めた思いでいました。それくらい原作とのギャップがショックでした。
原作者の夢枕さん自身が、「原作と映画は違うもの」「違いを批判する声からは、原作者の自分が守る」とインタビューなどで仰ってましたが、それでもやっぱりあの素晴らしい原作をチープに崩されたこのショックは大きいです。チープなんですよ。無駄にセリフで説明してしまったりとか。BGMで無理に盛り上げようとしてたりとか。ラストシーンとか。「エヴェレスト」という改題とか。
“岡田准一ファン”としてはまだまだ観に行きますが、“原作「神々の山嶺」ファン”としてはあまり楽しめない映画です。
ただ、現地で過酷なロケを敢行されたキャスト・スタッフの皆さんと、全てキャスト本人が演じたという点(特にラストの羽生を演じた阿部さん)には大いに敬意を表したいです。
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