「雰囲気はあるものの…」エヴェレスト 神々の山嶺(いただき) U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
雰囲気はあるものの…
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渾身の一作ではなかったのかと思う。
今のご時世で、これだけの規模の映画を作るには並々ならぬ信念が必要だったのではないかと思う。なにしろ雪山に登り、長期に渡る海外ロケまで敢行したわけだから。
なのだが…どうにも、スッキリしない。
夢枕獏が原作なのだが、今作のテーマなのかなとも思える主役の手記を、俺は隆慶一郎さんの作品で同じような文言を目にしてたからかもしれない。
それは侍としての心得のようなものであったが、そっちの方で鳥肌が立つほどの感銘を受けたからだ。
どうやって撮ったんだと、よくコレを撮ったなと思えたんだ。
ここまでの絵を撮れるんだと感動もしたんだけど…なんだか、いまいちガッツリ入らなかった。
なんていうか…ピントがズレてたような感覚かなあ。音楽が非常に邪魔だった。
他のレビューにもあったけど、岡田准一がボンベも無しに登ってこれたりする事が、阿部寛の偉業を軽んじてたのかもしれない。
彼とは違うルートを通ったとしても、彼の目的が阿部との邂逅であるのなら、頂上へ向かう為の装備は不可欠だもんな。
衝動で登り始めたとするなら、その衝動の根幹がハッキリしなかったようにも映るしなあ…。
そんな細かい違和感の集まりが、スッキリしないという感想に結びついたのかもな。
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