きみはいい子のレビュー・感想・評価
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涙が止まらない
最近異常に涙脆くなったせいもあるが劇場でずっと涙が止まらなくて困った。きつく当たられても母親が大好きな娘。そして娘を素直に愛せないことで自己嫌悪に陥る母。水木さんがハグされる展開に賛否あるようだが、よく考えると娘の頭を撫でてあげないことを指摘されるあたりが伏線となっていてさほど不自然な展開ではないと思う。(個人的にはこのシーンの照明の使い方が印象的で本気で泣かせにくるなと感じた。)
全体に子どもたちの振る舞いが凄く自然で全く違和感がないのも驚異的。ハグされた感想を子どもたちが述べるあたりは実際に体験させてアドリブで言わせたセリフをドキュメンタリー的に拾っているのだろうと思うが、自閉症スペクトラムの子などはどうやって演出したのか想像もつかない。全て演技だとすれば恐るべき演技力だ。
おばあさんが弟の記憶に執着するあたり、家族がいないのかと予想したらその通りだったのも切ない。そしてその無聊を唯一癒してくれたのが発達障害を抱えた息子だったことで泣き崩れる冨田靖子演じる母親がまた切ない。
唯一不満が残るのは小学校のパート。女子の間のいじめのエピソードが伏線だけ張って放置気味なのが気になった。逆にラストはあれで良いと思う。
あと池脇千鶴が演じるママ友みたいな人がいたら結婚したいと思った。いい嫁さんだなぁ。
いい映画だと思うけど、、、
序盤から重くて息苦しい場面が続き、果たしてこの映画に救いはあるのか?と不安になったが、中盤の無邪気な存在による究極の癒し攻撃をきっかけに、終盤は一気に解決ムードに。
役者はみな上手いし、演出も良いから説得力があり、一人一人が「優しさ」や「温もり」を少しでも周りに伝えよう、という結論にはすごく共感したが、、、
ごく身近で起きているであろう深刻な現実(とはいえ自分はまだ直面していない想像するしかない現実)に対して、映画を観て救われた気分になるのが、なんだか後ろめたくなった。
「後はご想像にお任せします」的な終わり方に、あまり納得がいかなかった。
痛みの元を見つめる
3つの短編小説を元にした映画です。
学級崩壊を起こす教師とネグレクトされてるっぽい小学生の話と、
幼い娘に暴力を振るってしまう母親とママ友の話と、
認知症が始まりかけてる老女と自閉症の小学生の話が、
クロスオーバーはせず、同じ町で同時に起きてるという設定で作られています。
老女と自閉症の小学生の話は、ひろやくん役の子役がとても上手だなと思ったのと、彼が語った幸せの定義がとてもいいな、彼はちゃんと知ってるんだなぁ、賢者だなぁと思いました。
教師の話は、児童への観察が甘すぎる高良くん演じる岡野先生にかなりはらはらしました。
星さんへのいじめの芽を抽斗に押し込んで忘却し、失禁した生徒を傷つけ(多少不可抗力ですけど)、生徒になめられ学級崩壊…星さんは登校拒否。
救いようがないぬるま湯くんですが、甥っ子に抱きしめられて何かに気づき、少しだけ変わりました。
家族に抱きしめられてくる宿題を披露する児童の表情がとても良かったです。
そして、少しだけ視野が広がった岡野先生は、いつも鉄棒のそばにいる神田さんが、何故鉄棒のそばにいるのか、気づいたようでした。
神田さんは給食費を滞納されていて、でもご飯は給食しか食べてないかもで、5時まで帰宅させてもらえなくて、たぶん継父に殴られている。
だぶだぶの同じ服しか着てなくて、それは彼のせいではないのに、自分が悪い子だと思っている。
だからサンタさんが来ないんだと、自分を責めているのです。
スクリーンの神田さんを見つめながら、
どっかの県で給食費滞納家庭の子供には給食を食べさせない方針を決めたところがあるというニュースを思い出しました。
子供には責任のないことなのに、不利益を被るのは子供。やるせないです。
この件での学校の決定が間違ってるとは思いません。悪いのは、自分の子供を愛せない親。でもその親にも事情があるかもしれない。
やりきれない思いがぬぐえません。
岡野先生が神田さんの家のドアを叩く決意をしたところで物語が終わってしまうのでえっ?と思いましたが、これ、小説のラストのまんまなんですよね。だからまぁ仕方ないですね。
岡野先生がなんとか神田さんを助けて欲しいと、思います。
そして、娘を殴る母の話です。
このパートが1番感情がかき乱されました。
尾野真千子演じる母が、ほんの些細な失敗をする幼い娘を、それは子供ならばしょうがないレベルの些細なことなのに、言いつけを守らなかったことに激昂して殴ってしまいます。しつこくしつこく。
このシーンがきつかったのです。
なぜなら子供時代を思い出すからです。
私の母も時々こうなり、殴られたからです。
別日にこの映画を観た友人が、あんなに殴る親なんているのかな?信じられないと言っていて、あぁ、彼女は理不尽に殴られてきてないんだなぁと思いました。
いいはしませんでしたが、私は思いました。
あれは、本当によくあることなんだよ、と。
尾野真千子演じる母も、虐待されていたようで、殴る自分を憎んでいるようでした。
虐待する親の欠落は、自己肯定感だと私は分析しています。自分が好きじゃない、自分に自信がない、だから子供が自分のいうことを聞かないと自分を馬鹿にされたと思うのだと思います。ざっくりといえばですが。
暴力は力の誇示だとおもいます。
殊更に暴力に頼るのは、相手にそれでしか自分を認めされられない、畏怖させられない、振るう側の弱さの表れだろうと思います。
自己肯定感の欠落は、子供時代に植えつけられた虐待の後遺症であることが多いように思います。あやねの母もそのようでしたし、私の母もそうでした。
あやねの母は、池脇千鶴演じるママ友によりそわれることで、少しだけ立ち止まれそうでした。池脇千鶴も子供時代に虐待を受けていた。でも、助けてくれる人がいて、自分を好きでいられ、今、子供に歪んだ支配をしていない。助けてもらって生き延びられたと思っているから、あやねの母に関わってきてくれたようでした。
物語の中では、特に何も解決していません。
ただ立ち止まれただけです。
あやねにどう贖罪してゆくか、そのためには、自分自身がどう虐待されていた過去と向き合うか。課題はありますが、まずスタートラインには立てたのだと思います。
私の母も苦しみ、カウンセリングを受けて、自分の子供時代の苦しみを分析し、折り合いをつけていたようでした。
今では随分落ち着いたようで、豹変するところは長い間見ていません。
ただ、私とは少し距離があるままです。
やはり私は母を心から許すことができないのです。
それと同時に、神田さんと同じく、私が悪いからお母さんは叩くんだ、私を嫌いなんだという気持ちも捨てられません。
自己肯定感も薄いと思います。ですが、それではいかんというところまでは辿り着いているので、今は程よい自己愛を育むことが目標です。
大分ましになって来た気がしています。
私にとっての池脇千鶴的役割は、映画やドラマや小説や漫画などの物語なので、今もこうやって、いろんな物語に触れているのです。
本編とは離れたことを、そして人様は全く興味がないかもなことをつらつらと書いてしまいました。お目汚しすみません。
自分の過去と所々重なって、苦しいけれども、なにか光が見えるような映画で、とても良かったです。
呉美保監督の映画は全部見てますが、ハズレなしです。同郷なので、ちょっと親近感です。
涙の果てに
冒頭から、、被害者も加害者もともに救われない哀しい関係性が綴られる…
誰もが誰もに非寛容な時代の、非寛容の連鎖。
唯一それを解決出来そうな教師の圧倒的な無責任…
映画は、ようやくそれを打ち破れるかも、と思わせたところで終わるが神田さんがいつか涙の果てに「ギューッと」して貰える日を願わずにはいられない…
早く帰って子供たちを「ギューッと」してやりたいと思わせられる映画でした。
今も神田さんのことを思うと泣きそうになりますよ…
そして、池脇千鶴と高橋和也のあの存在感はなんなんだ!?
あ、あと宿題の報告するシーンの子供達を見て、それまで集団でしかなかった子供たちが初めて個として立ち上がってくるところは、演出意図も含めて素晴らしかったデスよ…
視線と背中で大切な主題を描いていく秀作
新任教師の岡野(高良健吾)、幼い娘とふたり暮らしの母親・水木(尾野真千子)、小学校近くの一軒家でひとり暮らす老女・佐々木あきこ(喜多道枝)、三様のエピソードがほぼ並行して描かれる。
いわゆる群像劇だと、これらのエピソードが絡み合って、最後にピタリとひとつになったりするのだけれど、この映画ではそんなことはない。
そういうおもしろさに着眼した映画ではない。
ただし、一貫した主題は核として存在する。
「誰かにやさしくしたことは、自分にも戻ってきて、やさしくしてくれる」
些細なこと(本人にとっては大層なことだけど)で落ち込んでいた岡野を慰める際に、岡野の姉が自分の幼い息子にいう台詞だ。
台詞は、こう続く。
「(幼い息子に向って)ほら、おじさん(岡野のこと)を抱きしめてあげなさい」と。
この抱きしめることがこの映画の主題なのだけれど、そこへ至るまでを呉美保監督は丁寧に演出しています。
この丁寧な演出は、登場人物たちの心の動きと、関係性の距離感を、ふたつの画で説得力をもって描きます。
ひとつは、視線。
登場人物たちは、何を見て、何から目をそらそうとしているか。
水木のエピソードでは、特に顕著です。
もうひとつは、背中。
登場人物たちは、周囲とどれぐらいの距離にいるのか、孤立しているのか、寄り添うひとはいるのか。
そういうことを、しばしば登場する背中を向けた画で観るものに働きかけていきます。
この背中の画は、岡野と佐々木あきこのエピソードで、顕著です。
この映画は、語っている内容も素晴らしいのですが、その語り口がさらに素晴らしいのです。
ふたりの母親
前作の『そこのみにて光輝く』で心を鷲掴みにされたので、期待して鑑賞しました。
前作でも田舎の町でのどうにもならない閉鎖的な中でもがく感じにやられましたが
今回は親(大人)と子どもとのつながりや人への愛について考えさせられました。
子どもを感情的に怒り叩いてしまうシーンは、小さい頃からしつけとして親によく叩かれていた自分に重なるものがあり辛かったです。私は反面教師という言葉を知った事、夫が冷静に見てアドバイスをしてくれたおかげで池脇千鶴さんの様な気持ちで子育てできる様になったけれど、子どもが必死に頭をかばうところ、泣きながら謝るシーンで色々思い出しました。叩いた手って罪悪感もあってしばらく痛いんだよね…とか
池脇千鶴さんが尾野真千子さんを抱きしめるシーン、色々な意見がある様ですが
過去の虐待を乗り越えて子育てをしている彼女だからできたのだと私は思いました。
池脇千鶴と高橋和也は夫婦なのかな?そんなつながりも見たかったけれど、全てに答えを出してしまうと余韻が残らないかな?
上映されている映画館が少ないのですが、こんなこの映画をもっとたくさんの方に鑑賞していただきたいです。
アベンジャーズよ、これが邦画だ!
「きみはいい子」見ました。
面白かった。邦画ならではのテンションと言うか、そーゆー物が高次元で見れただけで感動。現代が抱える問題に鋭く切り込んだみたいな宣伝を見たけど、別に鋭く切り込んでるワケじゃないですよ。鋭くないからダメとかじゃなくて、これで良いんです。だって僕の心には鋭く刺さりましたので。
月並みな評価だが、とにかく役者が素晴らしいですね。「悼む人」を見た時は微妙だと感じた高良健吾さんは、あの草食系の雰囲気が新米教師にぴったりだったし、尾野真千子さんも良かった。尾野真千子はコメディにもシリアスにも振れる素晴らしい役者さんだと改めて感じました。あとはヒマワリ学級の高橋和也さん。あんな風にTシャツ+ジャージの先生は大体どこの学校にもいると思うけど、まさしくみんなあのテンションですよね。明るくてポジティブな教師を、嫌味なく演じていて心地よかったです。喜多道枝さんも池脇千鶴さんも、高良クラスのガキどもも良かったです。小学校の先生って大変ですね。
話としては、高良健吾擁する小学校問題と、尾野真千子擁する虐待問題。これを同時に語るにはテーマが違いすぎやしねーかと感じました。それは主役2人が抱える葛藤を比べれば明白であり、事実各々の場面に切り替わるごとに違う映画に見えて仕方なかった。せめて最後は無理矢理にでも一つに纏めて欲しかったと思いました...。
あとは最後ですけど、池脇千鶴が尾野真千子をいきなり抱きしめるのは、少しやりすぎな演出な気がしました。やりすぎと言うか、そーゆー話じゃないでしょう?って思ってしまいましたね。尾野真千子自身が幼少時に虐待を受けてたからナデナデってやってる場合かよ。小悪党にはしっかりとした制裁を。
一方の高良健吾視点のラスト。最近の邦画はあーゆー見せ切らないラストが本当に多いけど、どうなんです?言わば、5時になって高良健吾のテンションが上がってスタートを切りました。で、あの生徒の家に着いた所がテンションMAXじゃないワケですよ。しかも見てて、え、この家誰も居なくない?って空気感じましたし。せめて、玄関が少し開いた所で終わるとかじゃないと、何にもその先をイメージ出来ません。全編良かっただけに、ラストは少し残念(少しね)。
あとあれです、高良健吾さんの彼女の言い分が心底不愉快でした。「私は何ヶ月も準備し続けたプレゼンで悩んでんの!あんたの言ったのは何?小学生のオシッコが何とかって?」的なヤツです。こんな偉そうで不愉快な女なんて、他の男に取られて結構だ!
総じて、限りなく傑作に近い良作です。
アベンジャーズやMAD MAXも素晴らしい快作だけど、そんな世界的超絶大作にも決して引けを取らない素晴らしく楽しめる作品だと思います。
職業が‥
仕事を思い出して嫌だった。自分のクラスがこんなだったら‥。と恐ろしくなった。仕事で普段思ってることとこの映画が言わんとしていることが合致していて、結構響いた。せっかんされたことはないけど、実際にきっとたくさんいる。それを知らなきゃいけない。抱き締めてもらう宿題のくだり、自分が甥に抱きしめられたからってなんで言わなかったんだろう。それを言えば子供も少しは変わると思うのに。最後、神田さんはどうなったんだろう‥。きになる。生きてればいいけど。
呉 美保 × 池脇千鶴
呉監督の作品は「そこのみ」に続いて2作品目の鑑賞となります。
私は映画に感情移入しにくいタイプなのですが、毎度呉監督にはその壁を崩されてしまいます。笑
特に印象に残っているのは、自閉症の子の演技力というか、模倣能力の高さ。凄く特徴を捉えています。
千鶴さんの「うちの子にならない?」という言葉。あの言葉は'あなたがどんなに傷つけても、この子はあなたの味方なのよ'というメッセージが込められていると私は解釈しました。
富田靖子さんのお婆さんに謝罪するシーン。障害を持つ子の親御さんの気持ちを見事に表現されていました。
子供達が宿題の感想を言うシーン。見ていて、凄く生っぽいなと思ったら、なるほど演技では無いようですね。
みんな「いい子、いい子」されたいんですよね。
「そこのみ」に引き続き、見終わった後、題名と内容がしっかりリンクされるのも呉監督の映画の特徴だと思います。
身近にある現実
けして他人事ではない、すぐ隣にあるような事ばかり、胸が締め付けられる思いでした。
そしてその出来事たちは、実はあまり直視したくないと思ってしまう事ばかりで。
大人だからいつも正しく強くあらねばならないと思うけれど、間違いもあるし迷いも悩みもあって、そういうとき受け止めてくれる誰かがいてくれることの尊さを思いました。
子どもと同じように大人も抱きしめてもらう必要があるのだと思いました。心を。
登場人物は皆、孤独でした。
一人で抱えて誰にも打ち明けられず、不安を抱えながらも一生懸命生きる人たち。
でも終盤、それぞれが孤独を受け止めてくれる誰かと出会い、その先へまた進めるなにかを見つけたことが救いでした。
出演者の方々の演技はとても素晴らしく、子供たちも自然体で普通の学校そのままを見ているようでした。素晴らしかったです。
池脇千鶴さんが尾野真千子さんを抱きしめるシーンは涙がとまりませんでした。
救い
社会派の一本。
愛情の在り方、人との関わり方、他を尊重するあまり複雑化した現代の日本が浮き彫りになってる。
僕の隣にある現実。
でも、じっと見つめる事はしてない。おそらくしたくないからだ。
見てないから、認識してないからといって、その問題はなくなるわけじゃない。
そういう事を確認する。
ただ、この映画には血が通ってるように思う。
複雑に絡まって、結び目がいっぱいできちゃったロープでも、時間をかけて、ゆっくりと、徐々にでも解きほぐそうよ。
やれなくないよ。やってみようと、言われているようだ。
画面はとても静かだか、内面は荒波の如く揺り動かされる映画だった。
池脇さんの演技が秀逸
テレビドラマ「moher」から久しぶりの娘を虐待する役を演ずる尾野真 千子。娘が何か自分にとって不愉快なことをすると、容赦なく叩く。しか しそれがかなり自分にとってもストレスとなり自傷行為に走ってしまう。 そんな彼女を助けた のが2児の母親池脇さんだ。今回この池脇さ んの演技がもっとも素晴らしかった。 「(家族の誰かに)抱き締められてくること。」という宿題。全ての生 徒が「抱き締めらる」ことで、日ごろ溜め込んでいた何かを解き放たれの だろうが、神田さんにとってはこの 宿題は、あまりにも残酷に思えてならない。映画の最後に向 かうにつれて 自閉症の子と痴呆症になりかかったおばあさんとの交流に重きを置いて いる。 最後、岡野が17時になってしまい、急いで神田さんの家まで走る、か なりのスピードを要求されていた。結局、神田さんの家の扉を叩くところ でこの映画が終わるわけだが、何だか「えっ」此処でエンドロール?と思 わずには いられない。岡野が出した宿題は、神田さんにとっては地獄の底へ突き落 すほどであったと思えて、不快であった。清水さんの「いじめ」は?どうなったのか。
先生への強いメッセージ
親のエピソードの部分は、自分は親ではないのであまり言えないかな…。でも子どもが凄く羨ましく思った。
自分がとにかく書きたいのは先生のエピソードかな。
ちなみに不安感が常にある作品です。
尾野ママのエピソードが特に不安感が凄いのだが、ここの結末には希望があります。
ちょっとの不安感は残すが、おばあちゃんのエピソードの結末にも希望があります。
でも、先生の部分には不安感がどっしり残る。
神田さんの家を二回ノックして映画は終わる。
神田さんがどうなったかもわからないし、誰もが今作の最後にスッキリしないと思う。
でも、ここが重要なんだと思う。
最初、先生は虐待を受けていることに気づいたのに一歩引いてしまい、誰も呼ばないでそのまま逃げ出してしまった。
だけど最後は“二回”ノックする。
この二回が、一歩を踏み出すということを表しており、先生に対して「逃げ出さないでほしい、手遅れになる前に」という意味があるのだと思う。
だけど、応援してる面もある。
それが桜のシーンで桜の季節はどちらにしても未来になり、桜=未来になっているのだと思う。
「子どもたちの未来のために頑張れ」というメッセージを込めて桜の花びらが散る中、走る描写があんなに爽やかなんだろうな。
だけど、抱きしめることで救われる人がいても救われない人もいる。
だから先生の子どもに対する責任感が必要というメッセージを感じた。
今作の先生に良い先生はあまりいないと感じます。
保険の先生、自信だけ溢れて責任感は特にない先生にはイラついてしょうがなかった。
神田さん、どうなんでしょうね…
イジメの部分も知っていたのに何もできてなかった先生…。
たぶん意味深なテレビのニュースも含めて、殺されてるのかもしれないな…と感じるかな。
手遅れになってしまったように見える。
そう考えると、本当に親と親、人と人、先生と生徒の本当の繋がりの大切さを強く感じさせる。
人によっては見方が変わるかな。
自分は親になったらもう一度見てみたい。
とにかく凄く、スゴく良い作品でした。
みんな抱きしめられたいんだよね
小5の読書好きムスメが、原作を読み、やたらと内容を話していたので、興味を持ちママ限定試写会で観て来ました。
学級崩壊寸前のクラスを受け持つ新米教師・虐待の記憶を持ちながら子育てするママ・痴呆の始まった一人暮らしの老人・・現代社会の問題を抱えた人々が、すこしずつかかわり、自分より弱い立場の人の優しさに助けられるとても淡々としたお話なんだけど、心にじーんとくる映画です。
観終ると、きっと誰かを抱きしめたくなりますよ。
全36件中、21~36件目を表示