「ラスト30分で救われる。現代の子供達を取り巻く苦悩。」きみはいい子 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)
ラスト30分で救われる。現代の子供達を取り巻く苦悩。
【賛否両論チェック】
賛:子供を取り巻く様々な問題を正面から取り上げた描写が秀逸。救いのあるストーリーもステキ。
否:学級崩壊していた生徒達が、急に言うことを聞くようになるのは、少し違和感があり、終わり方も結構消化不良。イジメや家庭内暴力のシーンが多いので、嫌いな人には不向き。
群像劇で、それぞれの登場人物同士はあまり接点がありませんが、それぞれの風景描写が巧みにリンクしていたりして、自然に繋がっていく様子が見事です。
内容としては、現代の子供を取り巻く、“イジメ”“学級崩壊”“家庭内暴力”“不登校”“親の再婚相手からの暴力”“障がいを持つ子供の教育”等様々な問題が取り上げられ、浮き彫りにされていくので、否応なしに考えさせられます。その分、正直あまりまとまりがなく感じてしまう部分もありますし、イジメや家庭内暴力なんかの描写が苦手な人は、観ていると虫ずが走るかもしれません。それでも終盤は、希望が垣間見える展開なので、そこはすごくステキだと思います。
それにしても今の小学校って、男女差別にならないようにと、男子も女子も
「○○さん。」
って呼ばなきゃいけないんですね。方向性として絶対間違っているような気もしますが、
「先生も大変なんだなぁ・・・」
と実感することも出来る作品です(笑)。
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