「演技力の素晴らしさに助けられてる」きみはいい子 ゆるさんの映画レビュー(感想・評価)
演技力の素晴らしさに助けられてる
尾野真千子さんによって子供に与えられる恐怖や怒りに触れ、素晴らしい演技をする方だと感服しました。
本作は3つのストーリーから成り立ち、それぞれにメインとなる人物が存在し、それらを順に追っていくというもの。それらは交錯するものもあれば独立しているものもあり…と、構成には少し疑問もあり。
テーマは共通して『人からされたことを他人にもしてしまう』という、感情(愛情や憎悪)の連鎖でしょうか。これそのものについてはとても共感します。
ただ、内容を通して率直な感想を述べるとしたら、説教臭いかなあと。
それぞれのストーリーに導師のような人物が分かりやすく現れ、メインパーソンを教え諭すそのセリフが、異物感を生んでいるのでしょうか。
そんなの分かってるよ、でもどうしようも出来ないんだよっていう親娘の複雑さはとりだたされずに、導師の言葉(作者のメッセージでしょうが…)を受け人々がコロコロと好転していく。
そんなに簡単なものに、極端に描いてしまうのならば、ストーリーの柱を1本削るでもしてもっと綿密に描いても良かったのではないのかなと思ってしまいました。
ただ、冒頭でも触れましたが役者さんの演技が素晴らしいです。
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