「子どもも大人も、みんなギュッと抱きしめられたい」きみはいい子 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
子どもも大人も、みんなギュッと抱きしめられたい
「そこのみにて光輝く」の呉美保監督が、2013年「本屋大賞」4位に選ばれた同名の短編小説集の中の5編から、
「サンタの来ない家」「べっぴんさん」「こんにちはさようなら」の3編を
一本のこの映画にしたそうです。
(原作は未読です)
一番に目を惹くのは真面目でやや統率力に欠ける性格から
崩壊してしまった小4のクラスの担任教師の高野(高良健吾)。
高野がなんとかして崩壊したクラスを立て直そうと考え出したユニークな宿題。
「家族にギュッと抱きしめてもらう事」
この宿題を出された子どもたちが照れながら報告する様子を、
まるでドキュメンタリー映画のように写し出しているシーン。
生き生きした子どもたちの表情が、作り物ではない本物に見えて素敵です。
そして過去に親から受けた虐待の傷から立ち直ってない母親(尾野真千子)
外目には良い母親を演じながら、感情を抑えられずに子どもに手を上げてしまう!!
雅美の複雑に揺れる心を繊細に熱演。
いつもは見下していたママ友の陽子(池脇千鶴)に、抱きしめられるシーン。
陽子もまた虐待を受けて育ったのでした。
母親だって抱きしめて貰いたい!!
褒めて貰いたい!!
(思わず熱い塊が込み上げて来ました)
自分を愛せない雅美(母親)が、どんなに手を上げても、
「ママ!ママ!」と慕う娘に、雅美もきっと成長させられるでしょうね。
認知症の老婦人と自閉症の子供のエピソードも胸を打ちました。
そして何より「事なかれ主義」の学校現場から一歩を踏み出そうとする高野。
彼が開けようとするアパートの一室のドア。
このラストに、
かすかな希望を予感するのは私だけでしょうか?
すみません、本作拝読しておりませんでした。
あの学級、すでに崩壊していたのですか。担任も管理職も呑気、というか、肝が据わっているというか、、無策なのかわかりませんが。
ハグするところは、いいですね。🌸
大変失礼いたしました。🙏