「氷の女王」哀しみのトリスターナ 梨剥く侍さんの映画レビュー(感想・評価)
氷の女王
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「華麗なるフランス映画」という企画上映で(数十年ぶりに)見たが、ブニュエルやアントニオーニをフランス映画というくくりに入れるのは違和感があるな。この映画など全編スペイン語で、舞台もスペインだ。ま、たぶん俳優中心に編んだ企画なんだろうけど。
ブニュエルの即物的で情け容赦ない筆致はここでも徹底している。あと、夢の唐突な闖入も。フェルナンド・レイはブニュエルの作品にたびたび出演しているが、ほぼ同じような役柄で、監督自身を投影しているのかもしれない。
レイ扮する老人が仲間と歓談している横を、トリスターナが松葉杖の音を響かせながら何度も往復するシーンが怖い。
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