オルエットの方へ

劇場公開日:2025年7月5日

解説・あらすじ

長編デビュー作「アデュー・フィリピーヌ」で一躍ヌーベルバーグの重要人物として注目された伝説的映画監督ジャック・ロジエの長編第2作。

海辺の別荘へバカンスに出かけたキャロリーヌとジョエル、カリーンの3人は、女だけの気ままな時間を楽しんでいた。そこへ、ジョエルの上司で密かに彼女に思いを寄せるジルベールが現れる。ジルベールは別荘の庭にテントを張らせてもらうことになるが、3人の女たちからは粗末な扱いを受けるばかり。そんな中、3人は海からの帰り道にパトリックという青年と出会い、ジルベールをよそにパトリックと親しくなっていく。

2010年1月に東京・ユーロスペースで開催された特集上映「ジャック・ロジエのヴァカンス」で日本初上映。2016年10月、シアター・イメージフォーラムで再び行われる同特集で再上映。2025年7月、4Kレストア版で公開。

1970年製作/162分/フランス
原題または英題:Du cote d'Orouet
配給:エタンチェ、ユーロスペース
劇場公開日:2025年7月5日

その他の公開日:2010年1月(日本初公開)、2016年10月22日

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

オフィシャルサイト

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(C)1973 V.M. PRODUCTIONS / ANTINÉA

映画レビュー

5.0 笑い声の飽和

2025年11月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

大好きすぎる
これが理想の夏
何も考えず笑って、たまに切ない

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s.u.m.m.e.r

3.0 フランスのバカンスって3 週間もあるんだ

2025年10月30日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

予備知識無しでフラッと観たけど、55 年前の16㍉だから画質が荒く、音も必要以上にうるさい。女性3人が、海辺の別荘でバカンスを楽しむだけの内容。何が可笑しいのか、笑いが止まらない。ストーカー上司が偶然を装って、ウナギや巨大魚を料理するのに相手にされず、むくれている。そんな日常が、え絵日記みたいに綴られていく。全く退屈しなかった162分。

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吉田透

5.0 これといって何もないのがバカンス

2025年10月21日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

癒される

 小津安二郎の映画を観に行った時に、この作品の予告が流れておりました。なんだか16mmフィルムで撮ったような質感に即効演技、同時録音に面喰らいました。しかし今の映画にない新鮮なものを感じました。

 70年代初期に撮られたそうですが、古さを感じさせない刻が止まったような映画です。さすがにメイクは時代を感じます。

 女友達が湧き合いバカンスに興じるだけの映画かと思いました。しかしジョエルの上司ジルベールが参加するのは予想外でした。偶然を装って近くにテントを張ってるのですがジョエルに気があるんですね。普通ならウザい存在なのですが結構面白い人なんですね。

 フランスの海て、こんな風がきついて知りませんでした。どんな些細な音も聞き逃せません。

 食材が海の幸以外に、うなぎ、ワッフル、シードルなど食材が豊富なのが驚きです。
うなぎをつかむシーンは、しつこいはずなのになんか可笑しいんですよね。

 はじめはホーム・ムービーのようだと思いましたが、どの場面も構図が決まっています。だらだらとならないよう画面の切り替えも早いです。ビーチボールを追いかけるシーンは、いいですね。

 同時代の作家をめったに誉めないJ・R・ゴダール監督が、この作品の監督(J・ロジェ)を気に入るのは納得できます。ゴダール「軽蔑」のロケにもドキュメンタリー撮影を許可させています。(今回の特集上映で、その短編があります)

 「オルエットの方へ」のお話は、あっさり終わってフランス映画らしいです。ハリウッドだと再会でハッピーエンドになるけど、それがないのがいいです。まさにシードルのような酸っぱい映画でした。

 欲を言えばフィルム上映で観たかったです。

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naoki

5.0 新鮮

2025年10月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

バカンス映画の難しいところは映画作りはバカンスのようにはいかないところだ
莫大な金と人手がかかっている映画作りは当然緊張するものだし、それは少なからずフィルムに付着する。けれども今作は違った。よっぽど雰囲気の良い現場だったのだろう。レンズの歪み方から望遠を使って遠くから撮っているわけではなく、本当に友達のような距離感で撮られていたことがわかる。
レストアなんか知るかという具合に解像感の低い映像だった。正直苦しいものはあったが、それを跳ね返す女の子たちの邪気溢れる笑い声だった。もう笑うしかなかった。
音は同録とスタジオの併用だったように思われた。
出来事の連続性よりもイメージの音楽を意識した遊戯的な編集は飽きが来ない面白さだった。笑い声を音楽のように使い、無理矢理トランス状態に持っていく荒技には負けた。笑うしかなかった。
ドキュメンタリーのような不器用なズームの使い方はなんだか奇妙だった。彼らは映画の端正さよりも映画の鮮度を大事にしているのだろう。

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悠