劇場公開日 2015年10月1日

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岸辺の旅のレビュー・感想・評価

全68件中、61~68件目を表示

3.0深津絵里

2015年10月7日
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鑑賞方法:映画館

1999年の夏休みの少女がモンペ長靴を履いた未亡人になる。彼女は顔や手のアップに耐えうる女優になっている。日本のどこにでもある美しくない風景が、どこにでもある感じに、ダサい感じに、掛け値なくピタリおさまっている。大友良英の時代掛かった音楽含め、まるでダグラスサークかどうかは分からないけれど、凄くエンターテインメント、メロドラマ。餃子屋の女房の美しくない涙、娘の生々しいチェックワンピース、奥貫薫の幸薄な白い顔、すき焼き鍋を投げつけもする小松政夫の怖い顔。なんだか本気。そのカメラワークに、対象の切り取り方に、アップとズームとキスに、ハッとさせられる。

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ssspkk

5.0癒やしの怪談譚

2015年10月6日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

怖い

知的

昔ながらの映画の生々しさ、リアリティがありました。まさに、監督らしいホラー感が表現されていて、なおかつ、笑えて、涙できて、しかも癒される・・・見事というほかありません。
絵の美しさというものとは縁遠い作品です。しかしながら、力強さはどんなアクション映画だろうが太刀打ちできないものがありました。
深津絵里という女優の素晴らしさが、非常によく表現されていたように思います。彼女の演技ひとつで恐怖し、笑い、涙しました。
すべてカットカットで表現されているように感じて、すげぇなぁと思った次第。

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SH

4.0作家の想像力とは?

2015年10月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

幸せ

3年間行方知らずの夫が突然帰ってくる。
「僕は死んでるんだ」その言葉に、その姿に、夢か現実か戸惑う妻。そして「3年間の僕の足跡を追った旅をしてみないか」という言葉に、いまの現実もつまらないしのってみたのだが。

そんな冒頭のシーンから僕は試される。
あなたは現実=ロジックだけで生きているの?
それとも、霊的で幻想的な世界も受け入れるの?
当然、僕は、論理だけではない、情動みたいなものにも左右されるし、幻想的な世界も好きな人間ですよ。とは、答えてみたもののやっぱり、ちゃんとした筋がないと戸惑うよなという自分もいたりして。その世界にどれだけ自分を忘れて、ゆだねられるかというところが大きいわけです。

それでどうだったのか?
ある程度その流れに乗っている自分がいたんだよね。特にピアノのエピソードのところは自然に涙が流れたし。
妻の瑞希がこんな物語ってあり?、と思いながらもその世界を受け入れ、解放されていく様子も見て取れたのだ。それにしては、ラストシーンはちょっとあっさりしすぎだと思ったのは僕だけだろうか。
この作品、第68回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で監督賞を受賞したという。映画通には、国際的にもこの死生観は認められたのだろう。これを書いた小説家も、それを映画にしようとした黒沢監督も一般的な人からみれば、風変りな人。でも、アートの観点からは、きわめて想像力の強い人といえるだろう。

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xtc4241

4.5とても良い作品でした

2015年10月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

一言でいえば夫婦愛を描いた作品となるかもしれませんが、それだけでなく普通の生活やそれにまつわる物事や人への慈しみ、などが描かれていたように感じました。
日本(または東洋)的な死生観もおのずと表されており、その点で河瀨直美監督や是枝弘和監督の近作とも共通するものを感じ、個人的には興味深かったです。
あまり多く黒沢清監督の作品を観ておらず、これが4作目ぐらいですが、断然一番好きな作品でした。
深津絵里は後半になるにつれてドンドン良くなっていったと思います。ラストの2つのセリフには胸が熱くなりました。
大いに評価されるべき作品だと思います。

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鳩ぽっぽ

4.5流麗な音楽と美しい自然が、ちいさな物語を普遍へと導く。

2015年10月4日
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鑑賞方法:映画館

冒頭の、ピアノと風に揺れるカーテン。「トウキョウソナタ」のラストを想わせる、死の匂い。そこから一転、物語はホラーの気配を画面いっぱいに漂わせる。白玉の白さと、艶やかなまでに黒い摺り胡麻のコントラスト。不穏と、恐怖の予感。ああ、黒沢監督だなあ、とぞくぞくした。
そこに、往年の名画を彷彿とさせるような、流麗なオーケストラ音楽がかぶる。あれっ、なんか違う。この明朗なまでの穏やかさは…⁈ 意外というか、違和感というか。そんな戸惑いに浸る暇もなく、物語はスタートした。
この旅がいつ終わる(優介が姿を消す)のかと不安を抱きながらも、かけがえのない「今」を手放すまいと、果敢に身を委ねる瑞希。そんな彼女と同様、観客もいつしか、先が見えないながらも安らぎに満ちた旅に身を委ねていく。死者との交流は、決して目新しくはない。けれども、黒沢監督にかかると、唯一無二のものとなる。コマ落としのような画面の揺らぎ、対峙する二人のアップの切り返し…てらいもなく、往年の映画技法を散りばめられてるところにもびっくり、ニヤリとさせられた。
死者と遺された者が再び出会い、改めて深く互いを知り、真の別れを経て前進していく。大事件は起こらない。描かれているのは、ささやかでありふれた、(蒼井優演じる朋子が、自嘲気味に口にする)「平凡な毎日」の営みだ。これを普遍的な大きな物語に引き上げているのは、初めは違和感さえ感じた音楽と、美しい自然の力であるように思う。これまでの黒沢監督作品にはなかった、不思議な感触。特に初期作品で色濃く出ていた、黒くどろりとしたものに、美しい音楽と光や緑に満ちた風景描写が重なり、寄り添う。…「それも人間の一面」とでも言うように。包み隠すわけではなく、光と影、美と醜が見事に共存していた。
周到に高みへ到達したのち、感傷を許さぬかのように、潔く物語は幕を閉じる。ラストシーンから流れるようにエンドロールへと転じる幕切れに、瑞希の晴れやかな一歩が重なった。暗い映画館から、眩しい外へ飛び出す爽快感を味わえる作品だ。

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cma

5.0素晴らしかった。

2015年10月4日
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黒沢監督の作品は非常に好きで、これまで沢山観てきたが、今までの作品に比べとても映画として、強くなったという印象を受けた。
テーマの所為でもあるかもしれないが、大人な作品と、メッセージ性を強く感じた。

またセリフで多く語らせず、役者の表情や演技力で語る、それを映像として映す監督の表現の仕方にも感動した。
そのような意味でも、映画である必然性を感じた。

とても素晴らしい作品でした。

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tagu

4.0キャストが幸い。

2015年10月4日
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鑑賞方法:映画館

面白みは無し。
何故かキャストは良し?

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⭕

3.5不思議なストーリー

2015年10月3日
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鑑賞方法:映画館

予告編で、興味があってみました。

不思議なファンタジー的なストーリーでした。
奥さんの思いがゆっくりとした展開で旅?を通して昇華していくような。

現実派には向きませんが、夫婦はいろいろな形がある。
そう思えた映画です。

深津絵里さんの背中、綺麗でした(笑)

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Nobito