「すごい続編。」GONIN サーガ mg599さんの映画レビュー(感想・評価)
すごい続編。
とんでもない映画が登場してきた。
「GONIN」の続編と聞いて、少し軽い気持ちでいた。大越(永島敏行)や久松(鶴見辰吾)の息子に、京谷(ビートたけし)に殺された警官の息子だなんてプロット、観るほうからすると噴飯ものである。
しかし、映画が始まって、前作のシーンが信じられないくらい映し出される。佐藤浩市や本木雅弘の若かりし頃のシーン、氷頭(根津甚八)が大越を撃ち殺す凄絶ながらかっこいいシーンなど。
これは生半可な続編ではないぞ、と、心構えを新たにした。
GONINというのは、5人の意味なのだが、本作で、最初に五誠会の闇金を襲ったときには4人であった。
ところが、向こうを根絶やしにしないとこっちが殺られる、というんで式根誠司(安藤政信)主催のダンスパーティに乗り込むときには5人になっている。
なんといっても根津甚八である。いまの若い人たちは前の「GONIN」を観ても、佐藤浩市や本木雅弘には感慨があっても根津甚八のことはわからないだろう。
病室のシーンで根津甚八と絡んだ東出昌大、桐谷健太、柄本佑の3人の緊張がこちらに伝わるようだ。
「チャカ貸せ!」という絞り出すようなセリフもすごかった。
麻美(土屋アンナ)も万代(佐藤浩市)の娘で、みんな二世だったわけだが、防弾チョッキを着ていて死をまぬがれた式根が麻美を撃とうとしたとき、氷頭が銃を構える。その氷頭の右腕を少し老けた万代が支えてやる、という風に麻美には見えた。
このシーンの根津甚八と佐藤浩市のツーショットは至高の一瞬であった。
京谷の相棒 柴田は、回想シーンでも出てこなかったし、森澤(柄本佑)の綿密な人物相関図にも顔写真はなかった。肖像権か版権か、そういったものによると思うが、もったいない話である。
まだまだ語りたいことはあるが、このへんで。