「家族とは尊いものなり」愛を積むひと えのきちさんの映画レビュー(感想・評価)
家族とは尊いものなり
『愛を積む人』を鑑賞。
東京から北海道に移り住み第2の人生をスタートさせた夫婦とその周りの人々との交流と愛をテーマにした物語。主演は佐藤浩市と樋口可南子。
良子(樋口可南子)の希望で庭に石塀を作る事になり、篤史(佐藤浩市)と、大工見習いの徹(野村周平)は石を積み重ねていくが、良子が完成を待たず以前から患っていた病に倒れ他界。自身亡き後を心配する良子からの手紙が家のあらゆるところから発見される。
歳をとると涙もろくなると言うが、改めて自分がいかに歳をとったかを痛感してしまった。
少なくとも私が20〜30代であったならこらえられたであろうが、40を超えた今の私には到底不可能。泣き通しである。
北海道の美しい四季折々の景色と、その土地の人達との交流が暖かくて心に染みる。
映画的には少々綺麗すぎるのだが、そんな事も全く気にならないほど入り込んでしまった。
恐らく主演の二人は実年齢よりも上の役であったと思うが(役の年齢が不明なので)、実に良かった。
佐藤浩市のくたびれ感と言い、樋口可南子の優しい笑顔と言い、東京から移住してきたとは思えないほど爽やかで穢れがない。
個人的な話にはなるが最近白髪を染めるのをやめた。
いざ短くしてみてその多さに驚いてはいるものの、どうせならとことん白くなる方が良い。ちょうど今作の佐藤浩市くらいが理想なのだ。せめてあと10〜20年、髪が頭皮から逃避しない事を祈るばかり。
などとつまらぬ事を書いてさらに年齢を自覚する次第である。
話が逸れたが今作は是非40代以降の夫婦揃って鑑賞いただく事をお勧めしたい良作である。
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