劇場公開日 2015年6月20日

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「手紙という媒体で丁寧に紡がれた、 優美なラブストーリー」愛を積むひと 年間100本を劇場で観るシネオさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0手紙という媒体で丁寧に紡がれた、 優美なラブストーリー

2015年6月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

幸せ

カリフォルニア州で育った、
エドワードムーニーJr.,の
「石を積むひと」が原作のようですね。

だからなのかストーリーは、
アメリカ映画のような、
ちょっと都合の良い
夫婦のラブストーリーです。

けどそこに日本人の情緒や思いやり、
家族の絆というエッセンスが振りかけられて、
上質で仕立てのいい
映画に仕上がっています。
あまり出会ったことの無い邦画でした。

全篇に流れているのは、
妻「良子」の優しさ。
どんなに辛いときでも、明るくふるまって、
不器用な夫を支え続けます。
そんな生前の彼女の人物像が、
実に丁寧に練られているから、
他界した後の感情移入が、
とても深くなるんですね。

そして
遺言の手紙という媒体を通して分かる、
家族の物語に涙せずにはいられません。

日本一美しい丘のまち美瑛町のロケーションが、
さらに情緒あふれる世界観を創りだします。

佐藤浩市さんもよかったですが、
樋口可南子さんは、
深みのある素晴らしい女優さんですね。
北川景子さんの素顔のような演技も、
ぐっときました。

観賞後、
結婚している人や長いカップルは
自分ゴトとして、
感銘深い気分に浸れるでしょうね。
特に男の人は、
目を腫らしている人が多かったです。

僕も
相手への向き合い方を考える
きっかけになりました。
そして、
心のすれ違いで後悔しない人生を送りたいと、
切に思うのでした。

そんな
生き方の指針をもらえる、
素敵な映画です。

年間100本を劇場で観るシネオ