「蜂。」天空の蜂 mg599さんの映画レビュー(感想・評価)
蜂。
東野圭吾の20年前に書かれた原作の映画化。いまの日本を予見したような内容になっている。
大型ヘリを遠隔操作で奪い、原発の上空にホバリングさせ、全国の原発の施設を破壊せよと要求を突きつける。
このようなことを考え出す東野圭吾の頭はどうなっているのだろうか。
大型ヘリの威容など、まことに映画向きで、映像的にはまったく言うことがない。原作の世界観を余すところなく描いている。
加えて、登場人物の配置がいい。原発の現場、敦賀近辺の地道な捜査。愛知県警による錦工業内部の捜査。みんなそれぞれの持ち場で懸命に働いている。
なにより、頭の悪い奴がひとりもいない。これはすごいことである。
楠野一郎脚本、堤幸彦監督。原作から改変したところもおおむねうまくいった。三島(本木雅弘)の子供の一件は衝撃的であった。
「福島」を体験した我々は、この映画から学ぶことがたくさんある気がする。心ある人は、是非本作を観てほしい。
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