「あと一歩、もう一歩!」アイアムアヒーロー 好きこそモノのヘタレなれさんの映画レビュー(感想・評価)
あと一歩、もう一歩!
近頃の邦画の中ではかなり力が入っているのは分かったが、だからその先なんだよ!と歯がゆくなった一本。
演技・演出にケチをつけるつもりはないし、グロ描写・銃器の扱いなどは本当に力が入っている。
なのに仕上がってみれば全てにおいて、とにかく薄っぺらいのはどうしてなのだろうか。
演技にケチをつけるつもりはないし、傑作の原作を持ち出すつもりもないけれど。
表面だけ似せても、やはり大泉氏の「我の強さ」が主人公には最後までかみ合わないし。
「演技をさせない」という手に出た有村氏は英断だが、長澤氏もやはり存在感が強すぎてあの役からは大きく浮いてしまっているように感じた。
物語の展開の端折り方も酷く、演出も設定も全てが行き当たりばったりで乗ることも許してくれず。
(「大きな音を立てると寄ってくる」と身に染みているはずの生き残りが、食料庫に着いた途端に「ウェーイ!」と大騒ぎするって…)
なんだ「吹き飛ぶ人体と、火を噴く散弾銃」が無ければ、いつものニホンエイガと同じじゃないかと思ってしまったのが残念で仕方が無い。
(それでもその部分だけでもメジャー公開作でここまでやったのは天晴れなのだが)
脚本、そしてキャスト選びが今の邦画の抱える問題なんだろうな、監督や演出はもうどうでも良いとされた状況で。
個人的には本筋とまったく関係の無いところで大笑いできたので、それだけで良しとしたい作品。
続編は要りません、でも知った顔(素人)がスクリーンに出てくるとこんな反応になるんだな…
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