「生き残れるか。極限状態で覚醒していく、1人の男の成長物語。」アイアムアヒーロー 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)
生き残れるか。極限状態で覚醒していく、1人の男の成長物語。
【賛否両論チェック】
賛:小心者で甲斐性なしだった主人公が、崩壊した世界の中で、少しずつたくましく成長していく姿に、胸がスカッとする。先の読めないハラハラ感や、ZQNを次々になぎ倒していくスリリングな展開にも、目が離せない。
否:主人公達だけが上手いこと生き残るのは、ご愛嬌か。グロシーンもメチャメチャあるので、苦手な人には絶対向かない。
優柔不断で、いつも大事なところで踏み出せない小心者だった主人公が、突如〝ZQNパニック”の世界に放り出され、どう生き残っていくのかが、この作品の最大の見どころです。職場から逃げ出した英雄が大通りに出るまでの長回しのシーンが、日常が崩壊していく様子をまざまざと表現しているようで、圧巻でもあり不気味でもあります。
そんな世界にあって、最初はただただ逃げ惑うだけで、周りに助けられてばかりだった英雄。しかし、半ZQNとなっても生き続ける比呂美や、大切なものを守れなかった藪(長澤まさみ)、そして冷酷なリーダー格・伊浦(吉沢悠)達と出逢う中で、少しずつ
「自分がみんなを守る!!」
という自覚に目覚めていく姿に、胸がスカッとします。ラストのシーンなんかは、メチャメチャグロいので好みは分かれそうですが、主人公達の悲壮なまでに一途な戦いに圧倒されます。
基本的にはシリアスですが、思わずクスッと笑ってしまうようなシーンもあったりして、イイアクセントになっています。個人的には、ロレックスの腕時計のくだりや、喫茶店のZQNに襲われ、
「アイスコーヒーください!!」
と口走るシーンなんかが、ステキでした(笑)。
スプラッターやゾンビ映画好きにはたまらない、そんな作品といえそうです。
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