「実写邦画の底力が垣間見れました。」アイアムアヒーロー せっちゃそさんの映画レビュー(感想・評価)
実写邦画の底力が垣間見れました。
「実写邦画はまだまだ死んじゃいない」
これが観終わった直後の率直な感想。
内容は最初の10分を除き終始グロテスクな描写で進んでいきます。
まー、よくここまで振り切ったものを作りきったなぁとつくづく感心。なるほど納得のR15+な作品です。(下手すればR18+なんじゃないのかな。。。)
また、大泉洋・有村架純・長澤まさみをはじめ、キャスト陣が素晴らしかったです。特に、大泉洋のヘタれさと時より見せる面白さは最高のハマりっぷりでした。
(個人的には「ひろみちゃん、出番だよ」とロレックスのくだりがツボでした。)
少ないセリフでどんどん場面・展開が移り変わっていくテンポのよさから、本当に飽きることなく時間が流れていきます。
序盤のありふれた日常がどんどんと”ZQN”によって壊れていく様が、
てっこ→作業場→街中→ニュース番組や高速道路から見える景色と規模がどんどん大きくなっていくのを説明セリフなしで展開されていくあたりは背筋がぞくぞくするとともに謎の高揚感を覚えました。
終始ヘタレだった英雄が、藪の決死の「てめえで助けろ!自分が助けろ!」で名前の通り”ヒーロー”になっていったり、
アベサンがZQNになった妻を倒した後で自決したりとパニックホラーにしっかりと人間ドラマが組み込まれててよかったです。
テンポよし、描写よし、笑いあり、人間ドラマ性もありで本当によく練られた作品になっています。
グロ系が苦手でなければぜひ!”ZQN”ワールドに足を踏み入れてみてください。
新たな日本を代表するパニックホラー作品が待っています。
(´- `).oO(完全に余談ですが、かつて”助けてください!”と言われてた長澤まさみが今度は病気の子を観て”助けろ!”と言ってるのは何だか観ていて不思議なものを感じました。)