劇場公開日 2015年2月7日

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ミュータント・タートルズ : 映画評論・批評

2015年1月27日更新

2015年2月7日より丸の内ピカデリーほかにてロードショー

亀忍者たちの再起動は、懐かしさを超えた技術革新でいっぱい

突然変異した亀であり、しかも忍者−−−。こう言葉で書くとあまりに突拍子がなさ過ぎてすんなりとは理解が及ばないかもしれない。だがビジュアルの力とはさすがに凄いものだ。1984年にアメコミデビューを飾ったこのキャラはたちまち人気を博し、テレビアニメ、映画、グッズ、ゲームなどで世代を超えて愛される存在となった。

そのシリーズが超大作となってスクリーンにカムバック。凶悪なフット団がニューヨークを混沌の渦に突き落とそうとする中、ネズミのお師匠様による厳しい修行で凄腕の忍者へと成長した亀たちがその計画を阻止しようと立ち上がる。

思えば90年代の映画版では着ぐるみの主人公たちがノリノリでカンフーアクションを披露していたが、その懐かしい記憶を携えて本作に臨むとあまりの技術革新ぶりに度肝を抜かれるだろう。そこではキャラの動きや表情をモーション・キャプチャーで取り込み、なおかつ甲羅や肌の質感までもリアルに表現。映画のテンポやスピード感も倍加され、何よりも観客を体感的に楽しませようとする趣向がふんだんに詰まっている。

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とりわけ雪山を猛スピードで滑降しながら展開する息の長いチェイス・シーンなどは、マイケル・ベイという豪腕プロデューサーが統率してこそ成せる業。持ち前の荒唐無稽さをポジティブな魅力へと昇華させ、VFXを交えて観客をグイグイと巻き込んでいく手腕はさすがだ。

一方、意表を突かれたのがミーガン・フォックスの好演だった。かつてマイケル・ベイとの不仲が報じられた彼女も今や二児の母。自他ともに認める大のタートルズ好きらしいが、いや、それ以上に子供達に誇れる作品へ身を投じたいという願いこそ大きな原動力となったはず。ひ孫が生まれたばかりのウーピー・ゴールドバーグにしても同じこと。みんな単なる仕事としてではなく、すぐ側にいる大切な人を歓ばせたい、楽しませたいという特別な思いを胸に頑張っている。

そんな作り手たちの熱意がスクリーンから伝わるのが何よりだ。ぜひ親子そろってこのエンターテインメントのオモチャ箱に飛び込んでほしい。

牛津厚信

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