「一皮剥けて満足度の高いフルコース!」ベイマックス くわなさんの映画レビュー(感想・評価)
一皮剥けて満足度の高いフルコース!
本作は近年のディズニー映画にありがちな
「いやあんたはそれでいいかもしれないけど、
強引だし他の問題が山積みじゃない?」
というツッコミをさせません。登場するもの全てに必然性があります。
原作とは異なる点も多いけれど、一本の映画として結実させるための改良です。
ただかわいいからカッコイイから綺麗だからという趣味の域を超え、
テーマに即した一粒一粒がこの映画の幹を太いものにしています。
ひとえにスタッフたちの絶え間ない探求と洞察力によるものでしょう。
そのマインドが反映されたかのような登場人物たちに親近感を覚えます。
ユーモアがあるけどくどくない、自然なかけあいにも好感が持てました。
戦闘シーンは各キャラの能力や連携がストーリーに上手く組み込まれています。
「ああいま俺たち私たちは6人で戦っているんだ!」そんな興奮を味わえます。
舞台についても触れましょう。
都会が舞台いうことで画面の情報が煩雑になりがちなのに、
見ていて混乱するシーンはありません。
もう少しじっくり描いて欲しかったシーンもありますが、
子供が見ることを念頭におけばちょうどよいテンポではないでしょうか。
個人的には夜のシーンの光が美しく見とれてしまいました。
「どうやったら舞台を魅力的に見せられるか」という点においても徹底的です。
架空の町なのに訪れてみたくなる、観光としても楽しめる映画です。
なぜヒーロー物なのか?なぜBig Hero 6なのか?
なぜ兄は死ななければならなかったのか?
投げかけた問いに本作は向き合おうとしています。
きっと答えてくれることでしょう。オススメです!