海街diaryのレビュー・感想・評価
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本当にあるべき姿。それを教えてくれる“家族”の物語。
【賛否両論チェック】
賛:一緒に笑ったり泣いたり怒ったり、ぶつかり合っていく中で本当の家族になっていく姿が感動的。壊れてしまった親子の絆の修復も印象的。
否:お話そのものはかなり単調で、BGMも少なめなので、興味がないと眠くなりそう。
最初は他人だったすずが、3人の情愛豊かな姉に囲まれて過ごすうちに、少しずつ家族の温かみを実感していく様子が、感動を誘います。ほんの数秒前まで大ゲンカをしていたのに、風呂場でカマドウマが出た瞬間に、相手に助けを求めたりするシーンなんか、
「家族だなぁ・・・」
と、思わず微笑んでしまいます(笑)。
しかしそれと同時に、“腹違い”という自分の存在が周りを傷つけているという罪悪感に、すずが1人苦しんでしまう姿にも、胸が痛むものがあります。そんなすずの葛藤を知り、それでもなお彼女を温かく抱きしめる幸の優しさにも、また泣けてしまいます(笑)。
物語の雰囲気そのものはかなり静かに進むので、人生の機微を知っている大人の方向けの作品といえそうです。
鎌倉!!
普通
晴れ、時々、やっかいな、四姉妹
まるで小津映画を観ているんじゃないか? と錯覚するほど、タッチが似ていますね。人物と室内、その時空間をスライスし、まるでスライドショーのように並べます。カットとカットのツナギには「動くこと」「アクション」の連続性が、敢えてないように、注意深く編集されています。
このあたり、黒澤映画なら、一つのアクションを受けて、次のアクションがあり、それがまた第三のアクションにつながってゆく、という一連のダイナミックな「うねり」、映画文法があるのですが、それとは対極にある作品、と言ってもいいと思います。だから、パッと見は、そっけない、盛り上がりがない作品と思ってしまうかもしれない。
また、やたらと、葬式のシーン、法事のシーンなど、辛気臭いシーンが多い作品でもあります。
このお話の舞台は鎌倉。海辺の街に暮らす姉妹のお話。
娘たちと別れ、再婚して、別の街に暮らしていた父親が亡くなります。その知らせを受けた三姉妹は、父親が移り住んだ山形へ向かいます。父親の葬儀の時、三姉妹は腹違いの妹、すず(広瀬すず)と出会いました。姉たちは、この末っ子が気に入りました。鎌倉の家で四姉妹として、一緒に暮らそうよ、ということになります。
離婚して、姉妹たちを放り出し、家を出て行った母親(大竹しのぶ)は、わがまま勝手で、まるで子供のようです。久しぶりに、鎌倉の家で法事の席に現れたと思ったら「こんな古い家、もう売っちゃおうよ」などと唐突に言い始めます。
それを聞いた長女、幸(綾瀬はるか)
「母親らしいこともしたことがないくせに、何を言い出すの!」と怒りをあらわにします。
看護師をしている自分が、今まで母親代わりで、この海辺の古い家を守り、そして妹たちを育ててきました。
しっかり者の長女も、やはり一人の女性です。勤務先の医師、椎名(堤真一)と付き合っています。
新しく姉妹に加わった「すず」は、この海辺の家に来た時、長女、幸につぶやいたことがあります。
「ダメだよね、私のお母さん。奥さんがいる人を好きになるって……」
長女、幸は交際相手の椎名が住む部屋に通っています。実は彼には別居中の奥さんがいる。もうすぐ別れるのかなぁ~。もうすでに自分が、事実上の奥さんであるかのように、振る舞ってしまう幸。そんな自分自身が、いいのか、悪いのか、よく分からない。
ダメだよね。結婚している人を好きになるなんて。
すずの漏らした言葉が胸を刺します。
やがて幸は終末ケアの部署へ行って見る気はないか、と上司から打診されます。
次女佳乃(長澤まさみ)は勤めている銀行の営業として、新たに外回りの仕事に配属されます。
三女、千佳はマイペースで、姉妹の中で一番の変わり者。スポーツ洋品店に勤めています。父と別れたのは、彼女がまだ小さかった時。父との触れ合いを一番知らない千佳。ふと、末っ子のすずにたずねてみます。
「おとうさんって、どんな人だった?」
鎌倉の姉妹が小さな頃から馴染みにしている定食屋さん「海猫食堂」、それを切り盛りする店主のおばちゃん(風吹ジュン)は、病気のため、店を畳むことになりました。ここの名物「鯵フライ」の美味しさは誰が引き継ぐのか?
丁寧に、何の関係もなく、ぱらり、ぱらりと、散りばめられてゆく、それぞれのエピソード。
それらのなにげない伏線が、物語の終盤、全てが神の配剤のように結びついてきます。
そして、ここにも出没してきたか!と思わせる、リリー・フランキーの気負わない自然体の存在感。
今時、こんな小津映画を彷彿とさせる地味な演出手法。映画作品として、これは成り立つのかな? と心配するほどですが、それを補うのがキャスティングですね。
是枝裕和監督作品では、これまで、監督にしか引き出せない、子役の自然な演技、演出術や、「そして父になる」では、福山雅治をキャスティングするなど、ある種、どの作品にも「飛び道具」あるいは「目玉商品」的な存在がありました。
本作では今までの是枝作品の中で、最高に華やかな「飛び道具」「目玉商品」を取り揃えたと言えるでしょう。
綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すず、という、豪華で贅沢な女優陣が、一見地味なストーリーを華やかなスクリーンに変えてくれます。
ラストシーン、海辺を歩く四姉妹。ワンシーンワンカットの美しいロングショットが印象的でありました。
かわいすぎる。
四姉妹をよく演じれてる!!
何がなんだかわからない
一体全体どういう映画なんだ。美人4姉妹が海外の映画祭を意識した日本情緒たっぷりの世界でなんだか良い雰囲気な感じのあまーいハードルを越えるんだか、様子見してるんだかのお話し。予告編や番宣などで全く見る気がしなくて、ほんの少し空いた時間にスッポリと嵌った映画だったので軽い気持ちで見たのが間違いでした。
これが難しいのが駄目な映画じゃないってところです。私的には全く良くないんだけど、構成や演出、撮影などの技術もちゃんとしてるし、人に勧めないかって言われるとこういうのを大好きな人も絶対いるしとハッキリとこうだと決めれない映画だなっていうのが感想でしょうか。
あ、ひとつだけ独断で言うならば長澤まさみは良い女になった、これだけは譲れない感想ですね笑
まあまあだった
美人であることを放棄したような夏帆ちゃんの肩の力が抜けた感じがよかった。仕事もそれほど繁盛してい無さそうなスポーツ店の店員で、一緒にいたらさぞ楽しいだろうなと思った。
しっかり仕事を頑張っている綾瀬はるかちゃんは理想的な人生を送っているようだが不倫で悩んでいる。映画では綾瀬はるかだから超いいけど、現実にいたら女性的な魅力に欠けるタイプなのだろうかと思った。
家族みんなで障子の修繕したり、梅をもいで梅酒を漬けるなど、ファンタジーを感じる。
不在の父が物語の中心に常にあった。どんな人物か気になったが、それほど語られなかった。
淡々としていてけっこう長く、途中で飽きてしまった。
あと味サイコー!
私は映画で登場人物が魅力的に描かれている作品や風がリアルに感じられるような作品、そのどちらか1つがあるだけでも良い作品だなぁと思ってしまうのだが、本作はそのどちらも満たされており、私には堪らない一本になった。
四姉妹が魅力的なのは言うまでもないが、鎌倉の空気や季節の風を感じさせてくれるのだからさすがだ。
本作は日常生活のディテールまでしっかり描き、移り行く季節や時間を丁寧に積み重ね、その中で四姉妹がそれぞれに抱える悩みや葛藤、そして成長に至る(家族になる)までが本当に丁寧に描かれた素晴らしい作品だ。
それぞれの心情を丁寧に紡いでいくからこそ、琴線に触れる静かだけど深い感動を呼ぶことが出来る。
それは昨今良く見られるような泣かせるための映画とは大違いだ。
泣かせる映画が観たい人にはそういった作品も必要なのだろうが、私が観たいものは結果として涙することはあっても、泣かせるために作られた映画ではない。
登場人物の置かれた状況や心情に思いを巡らせ、自然と込み上げてくるものがある。
そんな映画が好きだ。
本作は観賞後、本当に良い映画を観たなぁという満足感を感じらる一本でした。
この感じは『ネブラスカ ~ふたつの心をつなぐ旅~』を観た後の感じと同じだなと思っていたら、本作では是枝監督も小津安二郎を意識したと言うことなので、なるほど納得です。
素晴らしい映画に感謝です!
もったいないなー
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