「丁寧に作り込まれた映画」海街diary 内山。さんの映画レビュー(感想・評価)
丁寧に作り込まれた映画
鎌倉に住んでいる三姉妹のもとに腹違いの妹が来る話。
まず、結論から述べると非常に面白かったです。物語には大きな見せ場やハラハラする展開はあまりなく、淡々と流れる感じではありますが、それで面白くない!と言うのはお門違いです。
この作品の魅力は丁寧に作り込まれていることだと思います。4姉妹が主人公という言わば群像劇であるので、どれかに焦点が当てられてしまって他の人物の印象が薄くなってしまいがちですが、序盤の会話やふとした仕草で4姉妹の性格がきちんと読み取れるし、それぞれにどっぷりと感情移入できました。
役者陣の演技は素晴らしく、特に広瀬すずの演技が良い!いきなり三姉妹の下に行くことになって複雑な心境の感じとか、一見打ち解けたように見えて、どこかまだ心を開けない絶妙な雰囲気、これ見事だと思います。四姉妹の絶妙な距離感もまた良いですね。
そして音楽が菅野よう子。これがまた良いです。走り出した時の希望に満ちた音楽とか鎌倉の風景ととてもマッチしていて、もうこのキャスティングした時点で勝ちですね。
すずちゃんの成長と共に三姉妹も成長していく感じとか、自分のいるべき場所はどこなのかずっと気にかけていたことが最後の叫びと共に解決するシーンとか、お見事。
ただ、これだけ綺麗に作られているので、ここ少し無理あるな〜とか、夏帆演じる千佳ちゃんの印象が少し薄いな〜とかほんのちょっと浮き彫りになっているような気がしますが、あまり気になる程でもないし、とても素晴らしい映画でした。オススメです!
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