劇場公開日 2015年6月13日

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「ちょっと薄味」海街diary kita-kituneさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ちょっと薄味

2015年6月14日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

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幸せ

原作愛読者。原作との比較になってしまうので映画作品として客観的に評価できないが・・・

普段、原作未読のまま映画を観る機会が多い。今回は原作を愛読しているため、なるほど原作付き映画で原作ファンの不満とはこう言うことかと認識されられた。
話を時間内に収めるため各シーンが薄味なのである。本来なら二時間ドラマでシリーズ化すべき内容なのでしょうがないと言えばしょうがないが。

特に、つかみであるはずの三姉妹と異母妹である、すずとの出会いから一緒に住むことになる過程が浅い。部分、部分は原作通りではあるものの、さらさらと進み過ぎていて印象が薄い。残念ながら原作を思い出して脳内補完しながら観ている状況にならざるを得なかった。
その後も原作を踏襲しつつも、つまみ食い状態となってしまい、ラストはオリジナルな脚本?でやや冗長となり、エンドロール前のシーンが印象的なものの、ストーリーを良く覚えていない・・・

気になる点をいくつか。
●キャスティングはそんなに悪くないとは思えるが(原作通りにはいかないだろうし)、長女(綾瀬はるか)はイメージがちょっと違うような。美人過ぎ、立派過ぎ?また、その恋人(堤真一)が老けすぎでは?貫禄がありすぎて、何かが違う・・・長澤まさみの恋人役も今ひとつ?
その他は妥当なところか。

●二女(長澤まさみ)が四姉妹の中ではビューティ担当のはず・・・が長女が美人過ぎて割を食っているような。長女とのケンカはもうちょっと派手にやっても良かったかも。

●三女(夏帆)の雰囲気は原作に近いような(髪型は原作初期のままでその後の原作に合わせなかったのは実写版としては正解だと思う)。

●大竹しのぶのダメ母ぶりも良かった。すず(四女)の義理の母のダメっぷりはちょっと印象が薄く、鎌倉に向かわせる要素としては弱い。

●ダメ看護師のアライさん・・・原作を知らなきゃ、よく分からないでしょう・・・実写版のツライところ?

●四姉妹の話に重点を置いたためか、原作では比重が大きいすずの友人関係が今ひとつ・・・イケメンの多田は外されたのか?

●すずが素っ裸で扇風機の前に立つシーンはアッパレ。

●MAXの店長、足の指がない・・・の件はその後のストーリーに関係していないのでカットしてよかった。(シーンとしては)原作にもないのに引っ張りすぎ。

●二女の恋人が銀行に来る件、原作は結構笑えるが・・・今作では良く分からない話になっているような。

●鎌倉カスター、セリフにはあったものの実物の描写がなかったような・・・?

最低、あと1回は観るつもりだが、はじめからシリーズ化を考慮した構成なら・・・と思えた。まぁ、失敗してしまうと次がないので完結せざるを得ないのだろうが。
ちょっと手放しには絶賛できない・・・

同じキャストでTVドラマ化もありだが・・・

kita-kitune