「自然と不自然を行き来する演技・物語」海街diary まっしーさんの映画レビュー(感想・評価)
自然と不自然を行き来する演技・物語
観たかった映画だが、なぜか気が乗らずに5年以上もズルズル先延ばしにしてしまった作品。
主演女優4人とも好きな方たち。
話のテーマは「家族のリアル」と思う。
家庭の環境は違えども、誰が観ても共感する部分や考えさせられるところがあるはず。
嫌なところがありつつ、やっぱり家族としての繋がりがあって、愛し愛されることを望んでいる。
冒頭の「あれ」という言葉に始まり、登場人物の言動やクセを使いながら、家族のつながりがうまく表現されている。
血のつながりだけじゃなく、共に過ごした時間の中で似てくるのが家族と思う。
少し抜けた母を助けようとしっかりものを演じる長女、そんな長女に対抗するように感情的に行動する次女、そんな2人のバランスを取るように楽しく振る舞う三女。
そして、そこへ仲間入りするも心の内は明かせず後ろめたさを感じる四女。
みんなが、それぞれに胸の内に思いを抱えつつ、互いのことを考えている。
そういう心情が演技に織り交ぜられていて、「こういうところが家族だよな」と、ある種のあるあるを目の当たりにできる。
「家族ってこういうもんだよね」という理想的、物語的な「自然」と、「家族なのにそんなことないだろ」というぱっと見では反論してしまう「不自然」
ただ、それらが混ざったものが「家族のリアル」なんだと観た後に思う。
家族について、幸せについて、自分の中にある思いをふと気づかせてくれる作品。
コメントする