劇場公開日 2015年6月13日

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「𠮷田秋生の傑作を冒頭のワンシーンで是枝色に染め替えた凄腕に脱帽した作品」海街diary NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5𠮷田秋生の傑作を冒頭のワンシーンで是枝色に染め替えた凄腕に脱帽した作品

2019年9月22日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

知的

幸せ

 この作品は海街diaryの第1巻(全9巻 この作品が発表された時点では6巻まで刊行されていた)に焦点を当てて描かれている。

 が、冒頭の二女佳乃が寝ている姿を彼女の足元からズームインする映像を観た瞬間、この作品は紛れもなく是枝監督のモノだと思った記憶は鮮明に覚えている。

 映画は原作を大きく脚変することなく、テイストもきちんと残しつつ、是枝監督色を控えめながらも出していく熟練の技に引き込まれた。

 それは、漫画で表現出来る限界を意識しつつ、是枝監督の想いを映像化したあの忘れ難い満開の桜のトンネルを風太(前田旺志郎)がすず(広瀬すず)を自転車のサドルに乗せ走りゆくあまりに美しいシーンに代表される。

 鎌倉の四季の移ろいゆく姿を映像美として表現する事で、原作の素晴らしさを更に引き立てた是枝監督の手腕に頭が下がった作品。

 原作を知らなくても、ある4人姉妹の一年を丁寧に描いた、見応えのある作品である。

<2015年6月13日 劇場にて鑑賞>

NOBU
ミカさんのコメント
2024年2月19日

菩薩だなんて、、リアルは違うと思います笑 NOBUさん漫画もお好きなんですね。昔神奈川に住んでいたのですが、鎌倉はあまり行かなかったので少し後悔しました。本作はカメラが美しくて是枝作品の中でも特に好きです。こちらこそよろしくおねがいします。

ミカ