「素晴らしかったです」海街diary Kjさんの映画レビュー(感想・評価)
素晴らしかったです
家族や血縁というものは厄介なもので、共同体であるから壊すこともできず、しかし距離も近すぎる。ぶつかるのが嫌だから、距離をとろうとしたりもする。抑揚は抑えめであるが、家族ならではの緊張感がある。幸とすずが和むと頬も緩む。すずが暴走しないかとドキドキする。幸が壊れないか、言ってはいけないことを口走らないかと心配する。佳乃が悪い方向に走らないか、でもそうならなくてホッとする。千佳ちゃんがちょっと淋しそうと気になったりする。偉いね、そこまで家族に向き合えて、でもそれも一過性のことかもしれない。だからこそ、この貴重な時間を微笑ましく見てしまう。カットがそれぞれ短いがそれぞれ印象的なシーンが連綿と続く。4姉妹がそれぞれの個性を演じており、大物すぎる脇役陣もそれぞれが物語にうまく収まっている。監督の力量に脱帽の一作である。
コメントする