「まずこの映画には生命という大きなテーマがあり、その中でも生命の始ま...」LUCY ルーシー whiskeyriskyさんの映画レビュー(感想・評価)
まずこの映画には生命という大きなテーマがあり、その中でも生命の始ま...
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まずこの映画には生命という大きなテーマがあり、その中でも生命の始まりやその本質について語られています。このことは、映画内部でご丁寧にも冒頭から終盤に至るまで長々としつこめに説明されていることから見て取れます。
その上でこの映画はあるひとつの問いを投げかけているわけであります。すなわち、生命が内包する知識(あるいは遺伝子と言っていいかも)の行き着く先はいったいどこなのか、という問いです。
押井守監督作品のひとつであるGhost in the shell/攻殻機動隊では哲学的にこれを説明しようと試みたわけです。草薙素子は人形使いとリンクし、均一なるマトリクスの裂け目の向こうへ旅立ちました。
我童子のときは語ることも童子のごとく...(以下略)
さて、生命の本質は遺伝情報を後世に伝えることにあるとする...というのが一般的な考え方でしょう。
で、あるならば、究極の生命体とも言える、無限の知識を持った生命でさえも後世にその情報を伝えるべき、あるいは伝えようとふるまうはずなのです。
Lucyは無限の知識を獲得しました。彼女のなすべきことというのはその知識を後世に伝えること。
Lucyには時間がありません。無限の知識を表現するにはヒトの肉体ではもはやヘッダが足りていない。無限の知識というのは何でも知っているということ。時空さえも乗り越え、宇宙をも包み込む得体のしれないものです。
最後のシーンで携帯電話に"私はどこにでもいる"とメッセージを遺したのはそういうことです。
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