ブラジル産ゾンビ映画。
ずっとグチャグチャのドロドロのビチャビチャ。とにかく汚い。グロを通り越して汚い。というか、本来グロテスクなゾンビ映画とはこうあるべきなのではと思い直してしまう程突き抜けています。
ゾンビが出てくるまでの助走が結構長いのですが、この時点でもう汚い。村人達の日常が描かれるのですが、清潔感の無さが非常に際立っています。壁とか床とか薄汚れてるし、男達の服も汚い。汚れたままウロウロしてる男達を見ては「はよ風呂入れ!服を洗濯しろ!」とツッコまずにはいられません。中盤からはよくわからない風俗店が舞台となるのですが、ここも狭いしなんか汚い。とにかく徹底して汚い。嫌悪感を抱くほど。
なんかやだなぁ…綺麗な画面が観たい…なんて思っているうちにゾンビ登場。こっからはもう地獄です。「ブレインデッド」のParty is over!!もビックリなドログチャ大戦争です。人間もゾンビの体液なんかを浴びまくっているので、どっちがゾンビか分からないほどドログチャになります。さながら「バタリアン」のタールマンの大量生産であります。
実は本作の見どころは他にもあって、キャラクターの描き方がなかなか上手いところ。奥手で根暗なアウビノ(色白だしアルビノ由来の名前か?)やお店のママさん(男)などはインパクトあるし、自然とストーリーを盛り上げて(状況を悪化させて)くれます。このキャラクターの描き方が雑だと違和感がつきまとうことになります。聞いてるか?「ゾンビネーター」さんよ。
これ、かなり優れたゾンビ映画と言えるのではないでしょうか。グロ描写に対するこだわりだけでなく、作品全体を通して「汚い」という世界観は一貫しているし、人物も興味深く見れる。さらに終盤には巨大な○○○ゾンビが出てくるサービスっぷり。唯一の難点は最大の魅力であるはずの「汚い」をやり過ぎた点か。もっと評価されても良い作品だと思いました。