ブラインドのレビュー・感想・評価
全5件を表示
【”盲目は障碍じゃない!”自身の瑕疵により失明した女性が、忌まわしきサイコキラーの行いに偶然遭遇し暗闇で対峙する中で生きる希望を見出す、ハラハラドキドキのヒューマンサスペンスミステリーである。】
ー ご存じの通り、今作は吉岡里帆さん主演の「見えない目撃者」のオリジナルである。
そして、視覚障碍者を主人公にした映画は、「暗くなるまで待って」を嚆矢として、多数のミステリーの秀作が公開されている。
中には、視覚障碍者が被害者と言う多くの作品設定を逆手に取った「ドント・ブリーズ」シリーズや、ヒューマンドラマも多数あるのである。
今作は、序盤から後半までは恐ろしいサスペンスミステリーであるが、再後半は失明した主人公女性が、再び生きる道を見出すヒューマンドラマにもなっている所が良いと思った作品である。
尚、感想はいつものように、私はオリジナルとリメイクを比較するのは意味がないと思っているので、そのようなトーンでは記載していない事は、予め記します。ー
■警察大学校の幹部実習生だったスア(キム・ハヌル)は同じ孤児院”希望の家”で弟同然に接していたドンヒョンがブレイクダンスに熱中する姿が許せずに自分の車に手錠で拘束し連れ帰ろうとする中、事故に遭いドンヒョンは死亡、自身も失明する。
そして、その行為を警察大学校の教官に激しく叱責されたスアは死んだような生活を送っていた。ある日、彼女は”模範タクシー”に乗車した際に、車が何かと激しく衝突しながら運転手がその何かをトランクに入れるも、”犬を撥ねた”と説明する態度に不信を抱く。だが、その付近で女子大学生が行方不明になっている事を知った彼女は、自分の体験を警察に申し出あるのであった。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・スアが”模範タクシー”に乗車した際に、視覚以外の感覚で”前に乗った乗客が男であり、運転手が左利きであり、微かに”或る香り”がする事を言い当てるシーンがまずは、秀逸である。視覚障碍者の方は、視覚以外は健常者以上の能力を保有している事が分かるからである。
・事故現場を目撃したと、警察に言って来る一見チャラい青年ギソブ(ユ・スンホ)。彼は、事故を起こしたのは外車だったと主張するシーン。チョ刑事(チョ・ヒボン)とスアは最初彼を懸賞金目当てと思うが、彼は事実を見ていた事が分かる、窓を開けた時の風の流れからスアが乗った車がタクシーにはないハッチバックだと判明するシーンはナカナカである。
・そして、徐々にスアは且つて自分の瑕疵で命を奪ってしまったドンヒョンと同じ19歳のギソブとを、重ね合わせていくシーンも良い。
ギソブも又、スアを気にし始めていく過程の描き方も良いのである。
■愚かしきサイコキラーの本性が徐々に露わになって行くシーンは恐ろしい。男が堕胎専門の産婦人科医である事から、勝手に女性を歪んだ思想で見ていたが故に起こしていた恐ろしい犯行部屋のシーンは、実に嫌な気持ちになる。
・チョ刑事が、徐々にサイコキラーに近づいて行くシーンは、ハラハラであるが・・。そして、サイコキラーがスアが乗る地下鉄の真ん前の席にフードを被って座るシーンは、ハラハラマックスである。が、ここからの自分もサイコキラーに襲われ、奴の顔を見ていたギソブがスアのスマホでサイコキラーを特定し、スアに点字歩行帯を映させ、逃げ道を教えるシーンもハラハラドキドキであるが、秀逸である。
そして、間一髪エレベーターに駆け込んだスアにサイコキラーが襲い掛かった時に、スアの盲導犬スルギが、命を懸けてサイコキラーからご主人を護るシーンは哀しかったが、盲導犬の尊さを目の当たりにするのである。
・更に、警察の捜査でサイコキラーの身元が割れる中、男がスアとギソブが逃げ込んだ”希望の家”に侵入してくるシーン。既に正気を半分失ったサイコキラーは奇声を上げ乍ら襲い掛かるが、ギソブは身を以て防ぐのである。
スアは自ら建物を停電させ、暗闇の中で聴覚、嗅覚をフル回転させ、見事にサイコキラーをレンガで殴り倒すのである。ハア、スカッとしたなあ。
■今作は、事件から2年後のスアとギソブのまるで姉弟の様な姿も良い。スアは笑顔で警察大学校の制服を着て、再び復学し、ギソブも笑顔で兵役が終わったら警察大学校に入る事を告げるのである。
<今作は、自身の瑕疵により失明した女性が、忌まわしきサイコキラーの行いに偶然遭遇し暗闇で対峙する中で生きる希望を見出す、ハラハラドキドキのヒューマンサスペンスミステリーなのである。>
うーん、プラマイゼロかなぁ
設定と中盤まではスリルがあっていいんだが(プラス面)。相手が見えないことをいいことに真横にいたり、スマホを使って若者くんが逃げるのを手伝ったりする、設定をとても活かせてる良いシーンだった。
(マイナス面)
終盤1、まず警察を殺しちゃう展開、こうなると犯人いづれ捕まるのが確定しちゃうんだよなぁ。
終盤2、で、逃亡図るのではなく恨み晴らしなのか二人をヤルことをチョイスする犯人。知能犯なんだか衝動犯なんだか、ブレブレ。(例えば羊たちの沈黙のレクター博士なんかは、きっちり逃げおおせるとこまで計算されていてカタルシスを感じるわけだが)
で、ラストシーン、物体感知器を使ったカウンター攻撃を描きたいのはわかるが、引っ張りすぎ。警官を1刺しで仕留めた腕がある犯人なのに、若者は復活するし、復活したらしたで犯人を一度ぶっ倒してるのにトドメを刺さないあまり、犯人も復活するしで冗長。(部屋を真っ暗にして犯人が見えない立場になる展開は良かったが)
日本版リメイク版もあるらしいが元がこれだとどうなんだろ。韓国映画ぽさ(残虐性)は満喫できた。
犬好きの方、憎めないキャラがお好きな方は特大の閲覧注意、
もしくは視聴をオススメしない映画です
ひどすぎる…犯人ほんと許せない
私は愛玩動物が苦手ですが、この映画ではそんなの関係なく大泣きしました(…昔、安達祐実さん主演のドラマで、彼女の家族のリュウという名前の犬が、天に召されたときと同じぐらい泣きました)
ワンちゃんと、
明るくて抜けてて憎めないキャラが天に召される映画が苦手な方は、この映画はやめたほうがいいかもしれません
でもサスペンス映画としては面白かったです。
犯人が必ずかける音楽、フリオ・イグレシアスさんのLa Paloma に怖気が走りました。彼のお気に入りのナンバーなんでしょうね…。もちろん歌手と歌が悪いわけではないのですが
目が見えないという特性を存分に生かした良質のエンタメ作品。
主人公がめしいであることを逆手に取ったアイディアが最後までふんだんに盛り込まれている。
地下鉄でのスマホカメラを使った逃走劇、クライマックスの主人公のハンデを活かした暗闇での駆け引きなど各国でリメイクされるのも納得。
主人公がめしいになる原因たる冒頭の事故が少々強引だったり、刑事がお笑い要員として使われ過ぎていたり、クライマックスの接近センサーを使っての反撃シーンで近づいてくる犯人に声を上げさせたりしたら意味ないでしょ、等々、少し詰めの甘さがないこともないけど、概ね良い作品だった。
主人公はとても美しい女優さんだったけど、とにかくあのワンちゃんが可愛かった。それだけにあの子を殺したのだけは許せないな、刑事殺すのは許せるけど。
ちょっと詰め込みすぎ感もあるサイコサスペンス。
盲導犬スルギが殺されたところで号泣してしまったので、終盤は早く終わらないかな~とイライラさせられる。ただ、韓国史上最恐のサイコパスともいうべき堕胎専門の産婦人科医はとにかく殺しまくり。チョ刑事を殺した段階でもう捜査の手は確実にやってくることも自覚してないんじゃないかと思われるほどだけど、それでもミン・スア(キム・ハヌル)の育った施設にも容赦なく殺しにやってくる。
キム・ハヌルはいくつかの作品を見てきてるけど、この映画が一番いいかもしれない。盲目という役も難なくこなしてるし、不幸が重なって悲しみに暮れてもおかしくないのに常に前向きな生き方を見せるのがいい。
スマホの音声認識や、テレビ通話での地下鉄チェイスシーン、そして人がやってくるとバイブで教えてくれる装置など、細かなアイテムもいいし、犯人が施設に侵入したときにショートさせて停電を起こすところも面白い。
犯人がもうやけっぱちになってて、目撃者を殺したところで捕まるってことがわかっていない。レイプの前科があるサイコパスの心理面ももうちょっと描いてほしかったところです。
全5件を表示