「問題は脚本だけかな・・・」バクマン。 aruminatさんの映画レビュー(感想・評価)
問題は脚本だけかな・・・
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サカナクション山口一郎の音楽は最高。それに呼応してVJかと見まがう画像センス、スピード感を作り出した大根監督も最高。そしておそらくこれ以上ないと思われるキャスティング。俳優さんは全て新進気鋭の実力派揃いで演技力は最高。2時間という時間の流れを感じさせない素晴らしい映像作品でした。
ただ、諸手を挙げておもしろかったのか、と言われると実はそうでもない。うーん、それは脚本、というか全体のストーリーが今ひとつ腑に落ちないからなんでしょうな。
いい大人から見ると、なんで病院を抜け出してまで巻頭カラーを書き上げなければいけないのかが理解できなかったりします。担当の斉藤さんは「作家と会社が対立したら作家側につく」とおっしゃっていますが、そもそもサイコーと編集長は対立してないし、編集長はまっとうなこと(「卒業するまで連載再開はしない」)を言っているわけです。正直、サイコーの行動は若者の戯言な訳で、斉藤さんは率先してサイコーを止めなきゃいけない立場だと思うんですがね。
結局、全体的に漂う「幼児的無敵感」が飲み込めず、うーん・・・となってしまったのですが、じゃぁ「編集長が連載止めておしまい」ではストーリーとして成り立たないし、そもそも原作「バクマン。」は終始そのような雰囲気だったので、脚本としては正しい解釈だと思います。
でもなー、いい大人としては「アンケ1位取るために命かけてどうするんだよ」とか、「そのために他の連載作家をアシ代わりに使うなよー」とか思ったり・・・(以降、思考無限ループ)
なので、その辺を含めて飲み込めるのであればエンターテインメントとして見る価値はあると思います。
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