「染谷将太の悪者感、それでいいの?」バクマン。 三遊亭大ピンチさんの映画レビュー(感想・評価)
染谷将太の悪者感、それでいいの?
「バクマン見ました。」
原作も全く知りませんでした。
結論から言って、正直ここまで評価が高い理由が全く分かりません。
欠点として、話の進み方が異常に早い。捉え方によってはテンポがいいとも言えるが、なんせ説明不足&唐突な展開の連続なのでテンポ云々ではない。転校した女の子が急に病室に現れて、もう会えませんだと。元々会ってないからいいんじゃないか?ところで連絡先はいつ交換したんだい?
序盤もそう。主人公2人が出会う事になんの理屈もなくて、それなのに実は佐藤健は絵が上手かった&叔父が漫画家で部屋もありますと。もう、そんな無理クソに都合のいい展開はいくらなんでも酷すぎると思った。佐藤健が絵を描いているのを、実は神木隆之介が影から見ていて声を掛けるみたいに上手いこと出来なかったのでしょうか。不思議ですよ。
主人公たちの挫折や失敗もいろいろあるんだけど、次のシーンではもう克服してるからね。
染谷将太が登場する所も、引っかかるんですよ。なんか悪役みたいなオーラが出ていて、それは違うでしょと感じる。少林サッカーの決勝の相手みたいなオーラに似てますよね。彼はあくまで主人公にとっては才能豊かな先人であって、悪役ではない。そんな意味不明な描かれ方だからか、彼らのライバル関係には全く感情移入不可。
トップから転がり落ちるラストこれはスラムダンク的だし、今作の題材としては良かったかなと思う。他の映画なら許せないけどね。
あとは最後付近、締切間に合わなそうの流れで染谷将太が山田孝之と乗り込んでくる所!ここの佐藤健の涙を含めた緊張感はシビれました。あの涙のワケは捉えきれなかったけど、こちらも涙してしまいました。名シーン。
総じて、普通でした。笑
世間的に傑作評が多いので、思い返すと良かったのか?と錯覚しがちです。美点も多いが、それよりも粗が多いのではと思います。
もう一回見たいとか、誰かに勧めたいとかは思いません。無駄に凝ってる割に不必要なCGは多いし、見てて疲れます。エンドロールは最高!