「トータル、漫画ってすげーね!」バクマン。 さぽしゃさんの映画レビュー(感想・評価)
トータル、漫画ってすげーね!
注)『バクマン。』は原作未読。アニメは映画鑑賞後に数本観ました。また、ここ二十年の漫画業界をあまり知らないので、的外れなことを言ってしまうかと思います。
自分の文章に保険をかけてすみません!よろしくお願いいたします。
大場つぐみせんせ&小畑健せんせのデスノートコンビ原作です。
画力はあるがなんだか煮え切らない真城最高(佐藤健)と、文章力はあるが画力がない高木秋人(神木隆之介)の高校生コンビが、漫画を描き始めて直ぐに、手塚治虫賞で準入賞、ジャンプで連載を開始します。
挫折、成功、挫折、成功?漫画って、こう描いていくんだよって物語でもあります。しかし、かなり狭い世界の話なのに、凄く面白いんです。
しかも友情、努力、勝利!のジャンプ誌のテーマでを地で行き、しかしその勝利後の苦悩に重点を置いています。
そう、初期ジャッキー映画のセオリーですよ。
お師匠様についてある程度強くなるも、自分より更に強いやつに鼻っぱしらを折られる。そこで更に努力をし、自分オリジナルな何かを見つけて勝利する。
最近の映画では、珍しいと思います。
ハッピーゴールではなく、テープを切った向こう側が大変なんですよ。という、プロの厳しさ、継続していく苦しさを描いている点も好感が持てました。
そこ「俺はまだ本気出してないだけ」とは違います。
本作では連載は初めたけど、読者のアンケート数が少なくて直ぐに打ち切り!という漫画家先生が登場します。
面白いのが良い作品とは限らないし、良い作品が面白いとは限らない。
決めるのは読者。
「読まれなければ漫画ではない」
という、当たり前だけど、ワナビが一番見失う点を、ちゃんと教えてくれます。
新妻エイジ(染谷将太)
福田真太 (桐谷健太)
平丸一也 (新井浩文)
登場する漫画家先生には、モデルがいるようです。
色々と想像しながら観るのも面白い。
また最高が恋するクラスメイト:亜豆美保の小松菜奈ちゃん。
可愛いですけど、なんか二次元的な可愛さをわざと演出されてて、まぁ厨二の最高目線なのでそうなるんでしょうが。
菜奈ちゃんって仄暗い何かを感じるお顔立ちだと思ってるので、ちょっとアニメキャラ的な萌え~な感じに、違和感がありました。※でも大根仁監督は、厨二男子の好感度が高い性欲を描くのが上手いですよね。"ギャラクシー街道"を観た後だったので、更にそう感じました。
あとジャンプ編集部が、かなり良く描かれてます。
勿論全ての編集者が非情ではないし、才能ある漫画家先生の体は心配して、連作を休ませてくれるんでしょうけどね。
そんなに優しい人ばっかりではないし、切り捨てられた先生達は星の数でしょ?
と考えると、ちょっとジャンプ誌を良く描き過ぎかなぁーと思ったりもしました。
「友情、努力、勝利」な爽やかジャンプ誌裏の、エゲツナイ部分。もっともっと、あるでしょう(笑)?
でも諸々差し引いても、面白い映画でした。
で足し引きした結果トータルで思うのは、「漫画ってすげーね」です!