劇場公開日 2015年10月3日

「ペン先の臨場感が凄い」バクマン。 えのきちさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ペン先の臨場感が凄い

2015年10月4日
iPhoneアプリから投稿

『バクマン。』を鑑賞。
漫画:小畑健、原作:大場つぐみの「デスノート」コンビによる同名漫画の実写化。
主演は佐藤健、神木隆之介。監督は「モテキ」の大根仁。

高木秋人(神木隆之介)は、真城最高(佐藤健)が絵が上手い事を知り、2人で漫画家になる事を提案する。少年ジャンプでの連載を目標に編集部に原稿を持ち込む2人の前に、同じ高校生漫画家、新妻エイジ(染谷将太)が立ちはだかる。

過酷で地味な印象が強い漫画家という職業に焦点を当てているにも関わらず、主役の2人を高校生とした事により青春群像劇としてうまく仕上がっている。

映像センスも抜群で、漫画を描くという工程を実にスタイリッシュ且つスピーディーに魅せるその映像はエンターテイメント性にも優れており最後まで飽きることがない。
また、個人的にはペン先の描画音が素晴らしいと感じた。「ザッ」「ガリッ」というペン先独特の音を臨場感たっぷりに表現するそれはもはや音響効果として抜群の効果を生んでいる。

週刊少年ジャンプの全盛期を知る我々40代にはたまらない演出も多く、最高にイカすエンドロールも最後までご覧いただきたい。というより見始めたら途中では席は立てないはずだ。

主演2人とライバル君含めた3名が全く高校生に見えない事はご愛嬌。演技に関しては全く申し分ない熱演ぶりは流石。しかも担当編集者役はご贔屓の山田孝之である。キャスティングはほぼ完璧と言える。

漫画家志望の方々にはご都合主義にも映るだろうが、「そんなに簡単に天下の少年ジャンプで連載なんか出来るわけないじゃん」とは思わず、あくまでフィクションと割り切って素直に楽しむのが良い。

漫画に全く興味がないという方には辛いが、それ以外の方には是非オススメしたい作品である。

えのきち