「全てが中途半端。結局ただ実写化してみました的な衝撃的な完成度」バクマン。 ふゆりさんの映画レビュー(感想・評価)
全てが中途半端。結局ただ実写化してみました的な衝撃的な完成度
まず、製作前から話題だったキャスティングなんて、どうでも良くなるくらいの内容でした。
最高と秋人が逆とか、亜豆がイメージと違うとか、そんな細かい事は見ている内に、不思議と気にならなくなってきます。
気になるのは、新妻エイジの棒読み口調くらいです。
逆に、一番原作と合ってた配役は宮藤官九郎(川口たろう役)です。
原作は、最高と亜豆が結婚するという事が最大のテーマです。
連載もアニメ化も全て亜豆との結婚のため。
これが「バクマン。」のブレのない軸なんです。
それを全力で応援する秋人やライバルとの「友情」があり、
結婚という目標に向かって、ひたすら「努力」、
最後はアニメ化&ヒロインGETで結婚=「勝利」。
これに対して、この映画は何を伝えたかったのか?
そしてキャラクターの設定に関しては、
原作で把握してから映画を見てね!と言わんばかりの適当さ。
原作見てなかったら、
最高も秋人も、部活も勉強も何もしてないダメな奴らが
突然マンガ家になりたいと言い出したようにしか見えない。
亜豆も、可愛い声優目指してる同級生ってだけで、
ヒロイン感をほとんど感じない。
もっと酷いのがライバル作家達。
表彰式終了後に家飲みしただけで親友レベルの信頼関係とか無いだろ。
結局、オチが「友情・努力・勝利」なんだから、
ここの人間関係の形成を疎かにすべきでなかった。
おかげで、作品から全く深みを感じませんでした。
平丸がマンガ描きたくない理由なんて、原作読んでなきゃ理解できないし。
中でも一番酷いのが、新妻エイジ。
エイジの役柄が全く理解できなかった。
亜城木夢叶とお互いに認め合い尊敬し合ってる感じは無く、
完全に新人マンガ家達の敵キャラみたいなポジションだった。
しかも、最初にも書きましたけど、
セリフが何で全部棒読みなの?????
原作の半分くらいを2時間にまとめたから
詰め込み過ぎ状態なんでしょうけど…。
それなら、
異次元空間でのバトルシーンいらないから、
もう少しキャラを深堀して欲しかった。
結局いつもの
「人気マンガを実写化してみたから、みんな見てね!」
的な作品になってしまっている。
原作が大人気なんだから、
最初から3部作とかの設定にして、
もっと拘って作って欲しかった。
でも、個人的な一番の感想は、
「小畑健は、この映画のために何枚原稿書いたんだろう?」です。
おわり