「新生ターミネーター、アイルビーバック!」ターミネーター:新起動 ジェニシス ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)
新生ターミネーター、アイルビーバック!
この前作の、ターミネーター4は絶不評の嵐でしたね。3も相当叩かれてた。こんなのターミネーターじゃない!という感じで。自分は別に両方とも好きだったんですけどね。まあそれだけ1と2が偉大だったということなんでしょうか。
自分はどちらかというと、このシリーズにそこまでの思い入れがなくてですね、SF映画の金字塔であるのは理解してるつもりですけども、一体いつまでこのシリーズに皆は拘ってるの?と常々思ってて。だから1も2も3も4も拘りなく楽しかった。
だけど、自分と違って製作陣は相当頭を悩ましてたんでしょうね。5は流石に失敗できないと。
まあ色んな曲折を経ての今回は、続編というカタチを手放しちゃったんですね。リブートというかね。
うん。それで良かった気がします。というかこれ、単純なリブートじゃないんですよ。要するに1~4とは違った、またひとつの可能性を示唆した世界観というか(まあ3からその気配はあった訳で)、パラレル的というか、並列世界のひとつというか。
主に1(2も入ってますね)の流れを汲んではいるんですけど、こちらのサラ・コナーは枝のように分かれた別の時間軸の存在なんだよ、という。
面白いですよ、これは。
「時間転送の概念を取り入れると、こういう様々な可能性が生まれるんだよ」という、もうちょっと手垢も付いてるし卑怯っちゃ卑怯なタイムトラベルモノの常套なんですけど、1のサラ・コナー、カイル・リース、T-800に別の可能性を与えることによって、違う角度で物語が語られていくという。これは楽しいなと。
更に更に、○○○・○○○が今回の悪役!ラスボス!という、ちょいと信じられないサプライズもあって。並列世界ならこういう可能性も描けちゃうんだなあと。
今回ので新三部作の構想みたいな企画とかあるんでしょうかね。前回の4にもそういう考えがあったみたいですけど(完全消滅してますが)。そういうことを暗示したような終幕でしたから。それも楽しみです。
あの並列世界のサラ・コナー、カイル・リース、T-800の活躍、もう暫く見守りたい気もします。