「旧作へのオマージュがてんこ盛り」ターミネーター:新起動 ジェニシス M.Kotaroさんの映画レビュー(感想・評価)
旧作へのオマージュがてんこ盛り
随所に「1」「2」へのオマージュが散りばめられており,ファンならニヤニヤしながら観るであろうことは必至。あまりにも有名な「I'll be back」というセリフだけでなく,過去に転送されたカイルが衣料販売店で警官に追われつつ服を物色したり,液体金属のT-1000が車の窓を突き破ったり(「2」ではヘリだったが)といったシーンもあって,実に楽しい。
中には似通ったシーンだが意味合いはまったく異なっているものもある。たとえば「2」のラストでT-800が自ら溶鉱炉へと身を投じて消滅した場面。今作のラストでは液体金属の海に沈んでしまい「消滅したか?と思わせるが,その後なんと進化して復活する。
一方,肝心のストールーには少々無理があるように感じた。今回は過去や未来の改変にも話が及んでしまっており,もうこうなってしまうと「なんでもあり」の状態。「審判の日」をめぐる過去シリーズの苦労は何だったのかと言いたくなってしまう。
どうやら「新起動」という日本語サブタイトルが示唆するように,話は続くことが濃厚だ(そう思わせる場面がエンドロール後に少しだけ流れる)。ファンとしてはストーリーが「トンデモ系」にならないことを祈るばかり。