フューリーのレビュー・感想・評価
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ラストの十字路
リアルな描写
久々の戦争映画
死者だけが戦争の終わりを見た…。
アメリカは第二次世界大戦を正しい戦争と位置付けていると言う。
これがアメリカの言う正しい戦争なのか?
そんな疑問を抱かずにはいられなかった。
何もかも悪いのはドイツ軍(日本も同盟国だが)にしておけば物語は成立するし、作る側からすればこんな重宝な悪役はないだろう。
確かにナチスの行いは最悪だ。
しかしその怪物を退治するために自らも怪物になってしまったアメリカがいる。
きっとこれが戦争なのだ。
正義と悪はコインの裏表なのだ…。
本作でもデビッド・エアー監督らしい臨場感をタップリ感じられる。
戦場の過酷さ、残酷さ、絶望感、不条理、平常心ではいられない様子も描かれている。
とても見応えのある良い映画だと思う。
出番が少ないのは残念だったが、本物のタイガー戦車も出てくる。
戦争には大義があったとしても、戦場に、特に前線にあるのは生々しい殺し合でしかないのだろう。
本作を観終えて、自分も戦地から帰ってきたような気持ちになった。
英雄とか言われたって嬉しくも無いだろうし、英雄なんかでいられるわけがない…。
任務とは言え、地獄を見たのだから…。
期待通り
戦争の残酷な現実
長いよ~
反戦か、ヒローものか?
戦争映画というと「プラトーン」や「硫黄島から手紙」のように反戦を謳っているのか。それとも「ランボー」や「永遠の0」のように主人公をヒーローに祭り上げるのか。この「フォーリー」もそんな2極化した概念で見てしまう自分がいました。
主演にして、プロデューサーであるブラッド・ピットはことしのアカデミー賞をとった「それでも夜は明ける」で、アメリカの恥部ともいわれる黒人差別の歴史を勇気をもってプロデュースした男である。彼はなまじ戦争ヒーローものはつくらないだろう。そんな期待もあったのだが、戦争のうち最も激しい地上戦が行われるという戦車ものということころに一抹の不安も感じたのだ。
結論から先にいおう。
「フォーリー」はどちらでもあり、どちらでもない。逃げたようだけど、それがいまの結論である。「理想は平和だが、歴史は残酷だ」と主人公のウォーダディが言った言葉が象徴している。
戦争現場に行けば、殺すか、殺されるか。どっちかしかないのだ。
はじめのうち、理想を持っていてドイツ兵を殺すことをためらっていた新兵が、そのうちやっつけてやると叫びながら撃ちまくるとシーンがある。その新兵が、陥落させた街で、ドイツの女性と出会い結ばれる場面がある。まだ敵も味方もなく、男と女がこころとからだを通わせる。でも次の場面ではドイツの爆弾投下によって女性は粉々になってしまう。新兵は嘆き悲しむが、次にはドイツ軍と敵対しなければならないのだ。
戦争のむなしさともいえる場面ではあるが、300人のドイツ兵と1台の戦車と5人のアメリカ兵。この戦いには思わずアメリカ兵に肩入れしている自分もいたことも事実なのである。
戦争や喧嘩には嫌悪するが、プロレスやボクシングには人一倍思い入れが強い。自分でもやっていたという矛盾した存在、それが自分自身だし、多かれ少なかれ人間はそんな動物であるのだろうと思う。
予想通り。
4DX初体験‼︎
現存する動くタイガー戦車見たさに、密かに注目していた映画!
自宅には、第二次世界大戦時のドイツ軍戦車ダイキャストモデルが、現在15台あります。そんな詳しくはないのですが、高校生の頃、タイガー戦車のプラモデルを何台か作ったのを思い出します。
映画は、そんなにも観ないのですが戦争映画と潜水艦映画は、昔から好きでした。今回は珍しく公開2日目にタイミングが合い観てきました。4DXも何にも予備知識なく、遊園地とかにある椅子が動くやつくらいだろーと思っていました。上映開始前に、スマホからネット予約、ここの劇場も初。残念ながら、座席のピンポイント予約はできません。端席が良いのですが、発券してみるまで席はゾーンのみ指定できるタイプです。ネット予約するとポップコーンと飲料の無料チケットが同時に発券されるのは良いサービスでしたが、残念ながら11月末で終了みたいです。その他、ここの劇場はスパやエボウリング、インターネットカフェ、カラオケなどがあり、映画1本とスパ入場券3枚セットで2,000円なんてのも年度内売っていました。
肝心な4DXのホールは、4席一セットで、広々空間。足元も伸ばしてもゼンゼンOK。座面も高く背もたれも大きくイイ感じでした。座席と座席の段差も大きく前席の方の頭も全くきにならない程です。座席が揺れなくたって、このくらい広いと、もっと劇場に足を運ぼーって気になるかも!?4DXの料金は、通常だと+1,000円みたいですが、ここの劇場はモーニングサービスがあり、私は2,100円で観ました。朝一の回は安いみたいです。
上映開始10分前にホール到着。入口には、無料ロッカーがあります。荷物を預けなければならない程、揺れるのかと不安に。説明映画が初まり、座席の注意。ウォーターon/offスイッチが肘掛けにあります。説明映画のカーチェイス場面では、思っていたよりも座席が揺れる、風が来る、飛沫が出る、振動が来る、チョット乗り物酔いに心配になりつつ、予告映画は全くなしに上映スタート。全部の映画がこうだったら良いのに…。
戦車映画でしたので、座席の揺れは心配する程でもなく、ドンパチの度に壁横にあるライトがパチパチ、スクリーン前からスモーク、耳元から風、座面、背面から振動というような感じでした。これはこれでけっこうイイ感じ、何より眠くならなくてイイですね。
映画の内容は、観たかったタイガー戦車は5分程の登場で終ってしまいました。
腹に響く重低音
『フューリー』を観賞。
ブラッド・ピッド主演最新作。
舞台は第二次世界大戦ヨーロッパ戦線、独軍制圧に向かう米軍兵士の活躍を描く。
今作の見所は何と言っても現存する戦車を借り受けて撮影に使用した事によるリアリティ溢れる戦車バトル。
米軍のシャーマン戦車と独軍ティガー戦車のバトルは迫力満点で、劇中は激しい重低音が腹に響き渡る。
監督は元軍人というデヴィッド・エアー。
リアリティを追求したというだけあって、戦争を扱う映画としてはいたってシンプルな構成となっている。
敵軍は無条件で撃ち殺す。その理由は御国の為とかそんな思想的なものではなく、あくまで任務であり仕事だからである。
フューリーと名付けられた戦車の乗組員を統率するドンを演じるブラッド・ピッドの熱演も素晴らしいの一言で徹底して任務遂行を果たそうとする。そんなある意味単調になりがちな展開に、新人兵士ノーマン(ローガン・ラーマン)の成長物語という観客が共感しやすい展開を交えた点も良い。
「たった5人で300人のドイツ軍に挑んだ男たち」
販促で使われているこの文句だけを聞くとランボーのような非現実なファンタジー戦争映画をイメージしてしまうが、決してそんな事はなく、最初から最後までリアリティ溢れる見応え抜群な作品に仕上がっている。
戦車マニアのみならず戦争映画に抵抗がなければ是非劇場の迫力ある音響設備での観賞をお勧めする。
米国映画史上初めての本格的戦車映画!
博物館から引っ張り出した本物のティーガー洗車の
迫力は凄い! シャーマンM4の後期型A3も非常にリアル。
戦車ファンにとって垂涎の的である両戦車を生で(というのも
変だが)実感できるだけで身が震える。M4戦車内の操縦、装填、
発射などの状況がつぶさに味わえるのは資料としても貴重。
ま、そういうオタク的興奮はさておき、「プライベートライアン」でも描いていたが、この映画も観ると如何に米軍は
対ナチス戦でとてつもなく大勢の犠牲を出したかに
改めて思いを馳せてしまう。
ノルマンディー上陸以降の最前線では、米軍兵士の平均寿命が
7日間という中隊がいくらでもあった。
ナチス全体主義に対する民主主義を守る大義の為に命を捧げた
無数の米国の若者たちに敬意と弔意を心から表したい。
しかし、現場の最前線で殺すか殺されるかの修羅場に生きる
将兵は、綺麗ごとなどほざいていられない、すさまじい現実が
あった。
どの生き残り兵士も(国にかかわらず)戦場の記憶を語りたく
ないのは何故なのか。この映画を見て感覚的に、少しわかって
きた気がする。白眉。
ブラビ死す 主役はしがないんじゃなかったの?
遠慮なしに戦争の残酷さ、冷血さ、無力感を感じる
長いんだけど短く感じた!
戦争映画好きの自分でさえひいてしまう、モラルが欠如した偽善ぶり。
アクションは楽しんだし、本物の戦車の迫力が味わえた分で星1つ半。だけども・・
普通、戦争映画っていうのはそのジャンルの性質上、キャラクターの善悪のモラルのバランスに配慮していると思う。
例えば、「プラトーン」とかいい例だけど、民間人を射殺したり、レイプしたりするようなクズがいる中で、同時にそういった極限の中でも人間らしさを貫こうとする者がいて、主人公は狂気の中でなんとかそこに希望を持とうとする。それによって観客はキャラクターに感情移入が出来るのだと思う。
で、フューリーでは、いくつかのシーンで、降伏した無抵抗の兵士の射殺、一般市民の女性への侮辱、セックスの強要が行われている事が具体的だったりほのめかされたりして出てくる。
だけど、問題は「そういう事をしてしまったやつもいた」とかじゃなくて、主人公のチームメイト全員が関与してしまってるってこと。しかも、そのシーンがあってすぐ、次の戦闘シーンに行くからさ・・→はっきり言って、誰にシンパシーを持てばいいの?一線越えたことやっちゃってるやつらの「恐怖や葛藤」とか見せられてもどうやって感情移入できんのよ?自分たちもやりたい放題やってんだから、因果応報だろよ。
一番腹が立つのは「俺たちはクズだけど、それは戦争の狂気が俺たちを変えちまったんダ。頭が弱いだけで、本当はピュアないいやつなんだよ」っていうようなシーンが何か所かあるのよ。
それぞれのキャラクターに戦争による心の傷があるっていうのはわかる。でもこの映画ではそれを自分たちがした行為の「言い訳」に使ってるのよ。
つまり「女一人か二人ぐらい戦争だったら犯すこともある。」って言ってるわけよ。で、この監督はお客さんは「女一人か二人ぐらい犯している」奴でも「根はいいやつ」で帳消しにして応援してくれるって思ってるわけでしょ?
それで映画としてバランスが取れてて、言い訳になると思ってるこの監督の感覚が怖いわ。
例えるなら、10代で暴行とか傷害事件なんかで人の人生変えておいて、「むかしはやべえこともやったよな。」なんて武勇伝として語っているやつの薄気味悪さと似てるのよ。「お前どの口でそれが語れるの?」っていう・・。
戦争映画でそういうシーンを見せる時にマナーとして大事なのは「あなたはどう思いますか?あなたならどうしてましたか?」っていう問いを観客に訴えかけることだと思う。でもこの映画ではその選択肢がない。そこを「ひどいことしたけどあれは仕方なかった」っていう描写にしたらだめなんだよ。
そもそも、元海軍でガンアクションの映画ばっかり撮ってる監督が戦車の映画を作ったら、「ヒロイックな戦争アクションが大好き」「マッチョな男同士の友情が好き」なのはバレバレだし、だったら堂々とそういう映画を撮ればいいと思う。観客もそれを見に来てるわけだし。
だからこそ無理に「社会派」みたいなふりをするのはやめてほしい。別にこの映画に「プラトーン」とか「硫黄島からの手紙」とか期待してないのよ。興味ないのに関心あるふりするからその偽善っぽさに余計腹が立つ。
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