「「フューリー」の意味が不明。」フューリー bashibaさんの映画レビュー(感想・評価)
「フューリー」の意味が不明。
観る前の最大の関心事は、ブラッド・ピットが最後まで生き延びるのか否か、その一点でした。「ラストサムライ」のようにトム・クルーズだけが生き残っては目も当てられないよな・・・。などということを思いながら、上映に臨みました。観ているうちになんだかコッポラの「地獄の黙示録」を思い出していました。ブラッド・ピットがロバート・デュバル扮するキルゴア中佐に見え、新兵を演じている役者がマーティン・シーン扮するウイラード大尉に見えてきました。そして、ドイツ軍全体がマーロン・ブランド扮するカ―ツ大佐のように思えてきました。全体的には最近よくある糞リアリズムに徹した凡作です。「プライベート・ライアン」や「プラト―ン」が好きな人には好意的に受け入れられるでしょう。私が戦争映画で高く評価している岡本喜八の「肉弾」、マイケル・チミノの「ディア・ハンター」、イーストウッドの硫黄島二部作には遠く及びませんが・・・。
ところでタイトルにもなっている「フューリー(激怒)」とは一体、誰の、何に対する怒りなのでしょう。ナチスドイツに対する怒りなのでしょうか。だとするなら、連合国側が「善」で枢軸国側が「悪」という単純な線引きになってしまいます。戦争とは合法的な殺人です。国家が認めた殺人行為です。冷静に考えてみれば、そんな戦争に善悪などある筈がないのですが・・・。私にはよく判りませんでした。もっと、まともな邦題を考えて欲しかったです。
また、最初に書いたブラッド・ピットの消息ですが、最後に戦車の中で息を引き取ります。私はブラッド・ピットが死に、新参の兵士のみが生き残る、ここを評価して☆3.5にしました。もし、ブラッド・ピットだけが生き延びて、結果、英雄譚にでもなっていたら、☆1の評価を与えるつもりでした。
貴重なご意見、ありがとうございました。
ネタバレあり、を付けようか迷ったのですが、やはり、付けるべきでしたね。
申し訳ありませんでした。
今後は気を付けていきます。