「黒歴史免罪符的映画第二弾」フューリー GokiPinoyさんの映画レビュー(感想・評価)
黒歴史免罪符的映画第二弾
第一弾は珍邦題の「それでも夜は明ける」。
最近「歴史認識」「歴史認識」と煩いが(苦笑)、
USにとってはこれが現時点で精一杯の、
「黒歴史認識」なのだろうか。
以前のような「ナチス」=悪の象徴といった、
ステレオタイプな戦争映画でないのはいい。
この映画もエンディングを見れば分かるように、
若い世代へのメッセージ性が強い映画だとは思う。
だが今の日本人が見てより興味を持つのは、
本物の戦車だとか、迫力ある戦争シーンよりもむしろ、
「慰安婦」がらみのシーンではないだろうか(苦笑)
実際その辺のシーンが私的にも一番圧巻だったように思う。
見終わって思ったのは、現在の世界の状況を思うと、
第二次大戦は既に遠い過去の1ページになってしまって、
まだまだ単純明快だったこの頃の反戦メッセージが、
もう現代ではリアリティーや説得力を持たないような、
そんな気がしてならない。
悪いがアジアからUSを見ると、
それでも「歴史認識」描写が甘いと思う(苦笑)
折りしも先日ここフィリピンで、
駐留米軍兵士による殺人事件があり、
沖縄と同じように地位協定問題が再燃し始めた。
なぜあなたは、兄弟の目の中のちりに目をつけるが、
自分の目の中の梁には気がつかないのですか。
なんだかんだ言っても戦勝国だものね。いまだに。
私も見て居て、この映画の重要ポイントは、戦車戦や銃撃戦では無く、戦争弱者の女性の描き方でした。
ここは、かなりの時間を裂いて、ゆっくりと詳細に描いていましたよね。生きる為とは言え、この様な事が少なからず有ったのでしょうね。私は戦争を全く知らない者への、重いメッセージと受け止めました。
どんなに視点が変わっても、ブレないところは戦勝国の中のまさに王様であるということであって、殴られた方は痛みを何時迄も覚えているけれど、殴った方は殴ったことを忘れていると同じで、殴られた方=敗戦国、殴った方=戦勝国の心理関係は未来永劫に変わらないでしょうから、これが亜米利加合衆国の認識の限界だと私は思います。